エネルギー大手のエクソン・モービル(XOM)が現地時間の1月4日にForm 8-Kを提出し、2023年第4四半期の利益見通しを開示しました。
Form 8-Kとは
Form 8-Kは、アメリカ合衆国において、株式公開企業(SEC登録企業)に提出が義務付けられている、SEC向け報告資料の開示様式(フォーム)のことをいいます。
現在、SEC登録企業では、会社支配権の変更、企業買収、行政処分、破産、取締役の退任、監査人の変更などの財政状態に影響を与えるイベント(特別な事象)が起こった場合に、このフォームを用いてSEC(米国証券取引委員会)に報告すると共に、迅速な対外発表が求められています。
(iFinanceより)
その内容をまとめたものが以下となります。
この表は上からセグメント別の2023年第3四半期の当期利益(NON-GAAPベース)、そして2023年第4四半期決算に影響を与える主な要因を市場要因と計画された要因や季節的要因等に分けて開示したものです。(単位は億ドル)
市場要因の内容としては、アップストリーム事業では原油価格、ガス価格、未決済デリバティブ(時価評価)の変動額、エネルギー製品事業ではマージン及び未決済デリバティブ(時価評価)の変動額、そして化学製品事業と特殊製品事業ではマージンの変動額となります。
また、計画された要因や季節的要因等に関する内容としては、計画されていた修繕費の変動額及び期末在庫の影響額となります。
まずすでに開示されたとおり、エクソン・モービルの2023年第3四半期決算の調整後の当期利益は91億ドル。
そして今回、この実績に対して2023年第4四半期に影響を与える要因を開示したわけですが、影響額の合計額はいわゆる下限値でマイナス20億ドル、そして上限値でプラス18億ドルとなっています。
その内訳ですが、まずアップストリーム(石油・ガス生産)事業において影響額の合計額は原油価格の下落、ガス価格の上昇等を反映しマイナス12億ドルからプラス4億ドルとなっています。
そしてエネルギー製品(ガソリン・ディーゼル燃料)事業においては石油精製マージンは大幅に悪化するものの未決済デリバティブの評価益もありマイナス8億ドルからプラス2億ドル。
また化学製品事業はマージンの改善によりプラス1億ドルからプラス7億ドルの予想となっています。
通常我々投資家がこのような予想データを確認する際、頭に入れておくべきは下限値(悲観値)で見ておくこと。
となると下限値での影響額はマイナス20億ドル、つまり2023年第3四半期実績の91億ドルに対して71億ドル程度となる予想。
もちろん今回のリリースについては、実際の業績とは差異があることは百も承知。
エクソンの第4四半期決算の発表日は現時点では現地時間1月29日の予定。
ということで今回はある程度の覚悟を持って決算を迎えることになりそうです。
(業績が原油、天然ガス価格に大きく依存する銘柄の購入にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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