研究開発型バイオ医薬品企業のアッヴィ(ABBV)が現地時間の10月30日に2024年第3四半期決算を発表しました。
すでにこの銘柄は10月3日リリースのForm8Kにおいて、取得した仕掛開発費およびマイルストーン費用が0.04ドル発生する見込みであることから、
・2024年通期の調整後希薄化後1株当たり利益ガイダンスの範囲は、買収した仕掛研究開発費およびマイルストン費用の影響を含め、10.67ドル~10.87ドル。
・2024年第3四半期の調整後希薄化後1株当たり利益ガイダンスの範囲は、買収した仕掛研究開発費およびマイルストン費用の影響を含め、2.88ドル~2.92ドル。
とする旨の発表があったわけで、ある程度の安心感というか覚悟を持って早速内容を確認。
概要は以下のとおり。
まず売上ですが、前年同期比で3.8%の増収。
続いて主力製品のヒュミラの売上を確認。
海外販売に加えメインの米国(国内)においても今期から特許切れによる後発薬の販売開始で大幅な減収(-37.2%)が続いて状況は変わらず、また市場予想を下回りました。
続いてヒュミラの売上減少を補う製品として会社が期待を寄せているスキリージとリンヴォックの状況は以下のとおり。
スキリージとは
乾癬(かんせん-免疫の異常によって皮膚や関節に特徴的な発疹などが起こる病気)、関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎を治療する薬
リンヴォックとは
中等度から重度の関節リウマチ患者へのリウマチ薬
こちらはスキリージが前年同期比で50.8%増、またリンヴォックが45.3%増とこれまで同様好調を維持、市場予想を上回っており特にスキリージはついにヒュミラの売上を(大きく)超えています。
次に利益の方ですが、会計基準ベースの1株利益は前年同期の1.00ドルに対し0.88ドルと12.0%減となったものの、無形資産償却等の特殊要因を除いた調整後1株利益(NON-GAAPベース)は前年同期の2.95ドルに対して3.00ドルと1.7%増、事前予想の2.88ドル~2.92ドルを上回っています。
そしてアナリスト予想との比較では、以下のとおり売上、調整後1株利益ともに予想を上回りました。
最後に注目の2024年通期予想(調整後1株利益)ですが、スキリージとリンヴォックが好調であることから以下のとおり10月3日リリースの10.67ドル~10.87ドルを10.90ドル~10.94ドル(※第3四半期後発生予定の仕掛研究開発費およびマイルストーン費用は含まず)へ上方修正しています。
以上、実績、通期見通しともに事前予想を上回る決算となりホッとしています。
アッヴィの最近の話題ですが、統合失調症やパーキンソン病など神経・精神疾患領域に複数の開発品を持つセレベル社の買収を成功裏に完了したこと。
今回の買収によりアッヴィの既存の神経科学ポートフォリオに補完性の高い資産のパイプラインを追加したことになるわけで、「今後10年間の収益に大きな影響を与える可能性がある。」としており、期待しているところです。
ということで、
売上〇 利益〇 通期予想上方修正で保有継続です。
(特許切れにより主力製品の売上が減少を続けている銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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