現地時間の12月12日、今年5月に購入したバイオ医薬品大手のアムジェン(AMGN)が配当金のお知らせをリリースしました。
アムジェンと言えば増配。
直近の増配率は以下のとおりとなっており、見事としか言いようがありません。
また11月3日に公表した直近第3四半期決算は売上こそ前年同期比で0.8%の減収となったものの、利益は会計基準ベースの1株利益(潜在株式調整後)、特殊要因を除いた調整後1株利益ともに大きく増加と好調。
そしてアナリスト予想との比較では以下のとおり売上、調整後1株利益ともに予想を上回る結果となっています。
ということで、前置きが長くなってしまいましたが今回の増配もある程度の期待を持って確認。
その内容ですが、
2023年2月15日の営業終了時点の登録株主に対して、1株当たり2.13ドルを2023年3月8日に支払う。
というもの。
これまでが1.94ドルでしたから、9.8%と約10%の増配となります。
ある意味ほぼ期待通り増配となりましたが、当方今回の増配を素直に喜ぶことができません。
もちろんその理由は昨日記事にした同日発表された同業のホライズン・セラピューティクス(HZNP)への約278億ドル(約3兆8000億円)での巨額買収。
その買収資金の調達がシティグループとバンク・オブ・アメリカによる285億ドル規模のつなぎ融資の与信枠を通じて行われるから。
つまり全額借金での調達となるから。
これにより買収後は単純計算で672億ドルもの巨額の有利子負債残高を抱えることになる。
となれば買収後は借入金の返済が最優先事項となる、いや、ならざるを得ない。
少なくとも買収後自社株買いを行う余力はないでしょう。
アムジェンと言えば株主還元、つまり配当と自社株買いを優先してきた企業。
それは今回の増配を見ても明らか。
しかし買収後はその政策ががらりと変わる可能性がある、いや、変わらざるを得ない。
ということで心中複雑なインカムゲイン投資家なのでした。
いずれにしてもこれまで以上の注意深さをもってこの銘柄をモニターしていくつもりです。
(大型買収資金を全額借入でまかなう予定の企業への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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