半導体大手のブロードコム(AVGO)が現地時間の5月26日に2022年第2四半期決算とともにクラウド関連大手のVMウェア(VMW)の巨額買収を発表したことはすでにお伝えしました。
巨額と書いたのは、その買収額が現金と株式交換の組み合わせで約610億ドル(約7兆7500億円)にもなる予定だから。
もちろん、ブロードコムは過去数々の買収を行い、売上・利益規模を拡大してきた企業。
つまり買収を成功させて来た企業であり、その実績は折り紙付き。
とは言え、インカムゲイン投資家にとって気になるのはやはり配当。
特に仮に買収により利益額が増加したとしても、発行済株式数の増加によって1株利益が減少しその結果減配になってしまったら、、、
という懸念があることは事実。
買収完了は2023年10月期、つまり来期中を目指す、とのことですが、果たして買収によってどの程度利益が増加し、どの程度発行済株数が増加するのか?
その結果1株配当はどうなるのか?
をリリース文章を基に試算してみることにしました。
今回の買収ですが、前述のとおり現金と株式交換の組み合わせで行われ、その割合はそれぞれ50%程度となり、VMウェア1株当たりブロードコム株0.2520株で交換される予定、との記載がありましたので、まずは株式交換によって増加するブロードコムの株数を計算。
その結果増加株数は52,794,000株となりました。
また、現在ブロードコムは総額100億ドルの自社株買いを実施中のわけですが、仮に平均600ドルで自社株買いが完了したと仮定すると、2022年12月末時点の配当対象発行済株式数は約4億株となる。
以上から、買収後の(新)ブロードコムの(配当対象)発行済株式数は52,794,000株+4億株=452,794,000株と試算されました。
つまり配収によってブロードコムの発行済株式数は約12%増加することになります。
続いて利益の方ですが、ブロードコムの配当基準はフリーキャッシュフロー。
ということで、直近決算期ベースでフリーキャッシュフローを計算した結果が以下の表となります。
御覧のとおり(新)ブロードコムのフリーキャッシュフローは17,292(百万ドル)。
そして、ブロードコムの配当方針はフリーキャッシュフローの50%配当。
ということで、1株配当を計算すると、
17,292(百万ドル)×50%÷452,794,000株=19.09ドル
買収後の1株配当は19.09ドル。
と試算された。
つまり現在のブロードコムの1株配当は16.40ドルですから、
買収ににより約16%現在より配当が増加することになる。
むろん上記計算は例えばフリーキャッシュフローは実績値を使用している等、あくまで試算にしか過ぎない。
そんなことは百も承知。
ただこうやってあれこれと試算すること自体が株式投資の楽しみの一つ。
であることは間違いありません。
何はともあれ、買収による将来の増配を楽しみにしつつも、今後の決算発表はしっかりとチェックしていきたい、と考えているところです。
(現在業績は絶好調も大型買収を予定している銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
よろしければ応援クリックお願いします。
にほんブログ村