研究開発型バイオ医薬品企業のアッヴィ(ABBV)が現地時間の2月9日に第4四半期決算を発表しました。
すでにこの銘柄は1月6日リリースのForm8Kにおいて下方修正の発表があったわけで、ある程度の安心感というか覚悟を持って早速内容を確認。
概要は以下のとおり。
まず売上ですが、全体では前年同期比で1.6%の増収。
続いて主力製品であるヒュミラの売上を確認。
御覧のとおりこれまで同様海外では特許切れによる後発競合他社との競争激化で前年同期比で大幅な減収(26.5%減)となったものの、米国内が前年同期比9.9%増と好調で全体では4.6%増と増収を確保。
続いて米国での特許切れによって2023年に後発薬の販売が決まっているヒュミラの売上減少を補う製品として会社が期待を寄せているスキリージとリンヴォックの状況は以下のとおり。
スキリージとは
乾癬(かんせん-免疫の異常によって皮膚や関節に特徴的な発疹などが起こる病気)の症状を改善する薬
リンヴォックとは
中等度から重度の関節リウマチ患者へのリウマチ薬
こちらもこれまで同様スキリージが前年同期比で76.1%増、またリンヴォックが49.0%増と好調を維持。
2020年からの推移を見るとほぼ順調に右肩上がりとなっている状況が見て取れます。
また利益の方ですが、会計基準ベースの1株利益は3割を超える減益となったものの、無形固定資産償却費等の特殊要因を除いた調整後1株利益(NON-GAAPベース)は前年同期の3.08ドルに対して3.60ドルと16.9%増となっています。
一方アナリスト予想との比較では、以下のとおり第2、3四半期同様売上は若干予想に届かなかったものの、利益の方は予想を上回っています。
最後に大注目の2023年通期予想(調整後1株利益)ですが、以下のとおり前期2022年の13.77ドルから約2割もの減益の10.70ドルから11.10ドルのレンジとしています。
もちろん減益の一番の理由は、主力商品ヒュミラの米国での特許切れ。
すでにライバルアムジェン(AMGN)は1月下旬にヒュミラに対する初のバイオシミラー競合品、アムジェビータを発売しましたが、ヒュミラに対して5%~55%という大幅なディスカウントで販売されています。
以上、特に今期通期予想がアナリスト予想を上回るなど非常に厳しい決算となりましたが、当方この銘柄のホールドを決めました。
その理由ですが、そもそもヒュミラの特許切れは以前から想定されていたこと。
そして、次の柱として期待されるスキリージとリンヴォックが競争の激しい市場にあるものの上記のとおり順調に伸びており、長期的にはヒュミラの売上減少を補う可能性があること。
ちなみに今回の決算発表で、会長兼CEOのリチャード・ゴンザレスは、
「当社は今後米国ヒュミラの独占権喪失を吸収し、2025年に力強いトップラインの成長を取り戻し、長期的にトップクラスの業績を牽引することができる強固な基盤を有しています。」
と述べています。
つまり2023年と2024年は我慢の年、耐える年と位置付けている。
ということで、当方としては決して増配に期待することなく今期、来期は配当を維持できるか、に注目して行きたいと考えているところです。
以上、売上〇× 利益×〇 通期予想×
でも様子見とします。
(いよいよ「2023年の壁」問題に突入した銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
よろしければ応援クリックお願いします。
にほんブログ村
こんばんは。
アッヴィの決算まとめありがとうございます。
来年、再来年は踊り場、それ以降はまたチカラ強い成長という物語を期待しています。
この銘柄は自動運転で配当が入金されたら自動的に買い増しを続けて雪だるまを膨らませてきていますが、業績の踊り場で株価がもし大きく調整するならば有り余るボーナスを投入して大きく買い増しも楽しみだなぁと皮算用しています。
ウィニングチケットさん
おはようございます。
記事読んでいただいたようでありがとうございます。
自動運転って言い得て妙、うまい表現ですね。ウィニングチケットさんの場合は何と言っても有り余る資金があることが大きな武器。
調整時買い増せることで大きく資産を増やすことができるんですからうらやましいです。
アッヴィの場合2025年から本当に成長できるかどうか慎重な見極めが必要と考えています。