すでに60歳を過ぎている当方ですが、今回は「もし今40歳以下なら是非購入したい銘柄」を取り上げてみたいと思います。
その銘柄がタイトルのとおりファスナル(FAST)。
ファスナル(Fastenal Co)は、工業用及び建設用資材の卸売販売を行う。
【事業内容】
ねじ付きファスナー、ボルト、ナット、ねじ、スタッド、関連ワッシャーのほか、ピン、機械用キー、コンクリートアンカー、金属フレームシステム、ワイヤーロープ、ストラット、リベット、関連アクセサリーなどの各種資材やハードウェアの販売業者である。
ビジネスツールには、ファスナル管理在庫(FMI)、ビンストック(「FASTStock」及び「FASTBin」)、産業用自動販売(「FASTVend」)などがある。
また、顧客に価値を提供し、現地の在庫を活用して即日ソリューションを提供し、サービスを提供することを目的としたデジタルソリューションにも投資する。
非住宅用エンドマーケットのゼネコンや商業請負業者、農家、トラック運転手、鉄道会社、石油探査会社、石油生産及び精製会社、鉱業会社、連邦、州、地方政府機関、学校、及び特定の小売業にサービスを提供する。
(SBI証券より)
この銘柄は2024年1月にウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)に代わり25年以上増配を続ける企業で構成するS&P500配当貴族指数に組み入れられた銘柄。
会社の概要ですが、1967年にパートナーシップとしてスタートし、1968年にミネソタ州法に基づき法人化された企業であり、産業・建設用資材、具体的には上記のとおりねじ、ボルト、ナット、ワッシャー等を販売しています。
主要顧客は製造会社やゼネコン、鉄道、石油生産・精製会社、鉱業会社、連邦・州・地方政府機関等でありいわゆる卸売業。
製品内容を極めて地味ですが、この銘柄の強みは顧客の調達コストを削減するために「Onsite」と呼ばれる顧客の施設内の店舗を含む多数の(イン・マーケット)支店・店舗を設けることで、顧客の所在地に近い場所から迅速かつ効率的な商品供給を行えること。
顧客からすればすぐに資材を配達してくれる企業の優先順位は高くなるので、従業員の質の高さもあり必然的にファスナルを利用することになるわけで、「一度使ったら止められない。」ある意味麻薬的な(?)強みのある会社と言えます。
尚、2015年以降の推移を見ると支店数は減少傾向にある一方、Onsite数を確実に増やしている状況となっています。
次に直近の業績確認ということで、まずは売上から。
こちらは2020年から前期2024年までの5年間の推移となりますが、御覧のとおり直近2年では成長率は低下してはいるものの毎期増収を継続中。
続いては1株利益(潜在株式調整後)。
こちらは2024年は微減とはなりましたが、増益トレンドとなっています。
では真の稼ぐ力を表す営業キャッシュフローマージンは?
営業キャッシュフローマージンとは
企業がどれほど効率的にキャッシュを稼いだかを示す指標であり、営業活動の結果として売上がどのくらいの営業キャッシュフローを生み出したかを表している。
計算式は、営業キャッシュフロー÷売上高で表される。
PL(損益計算書)上の利益はお化粧が可能だが、営業キャッシュフローは資金の入出金であり、会計基準・会計方針等の影響を受けないいわばごまかしのきかない数字である。
従って同業他社を比較する際にも有用である。
御覧のとおりこちらは右肩上がりとはなってはいませんが、直近2年のマージンは15%を超えており業種を考えれば十分高い数字と言えます。
では財務面はどうか?
具体的には財務の安定度合い。
使用したのは有利子負債営業キャッシュフロー倍率。
有利子負債営業キャッシュフロー倍率とは、簡単に言えば今ある借金を毎年の稼ぐ力で何年で返済できるか?という数字(年数)であり、数字が少なければ少ないほど返済能力が高い、つまり財務的に安定しているということになります。
<計算式>
有利子負債営業キャッシュフロー倍率=有利子負債÷営業キャッシュフロー
御覧のとおり1倍を割っているばかりか、直近2年はわずか0.2倍と極めて低い状況。
最後に注目の配当(2021年~2025年)。
御覧のとおり毎期10%を超える増配を継続しており、見事と言うしかありません。
また配当性向は以下のとおり40%を下回っており、決して無理をした増配でないことがわかります。
最新の決算ですが、2025年第3四半期決算(累計値)は増収(+7.9%)、増益(+8.4% 1株利益(潜在株式調整後)ベース)と好調。
以上見てきましたが、上記のとおり過去の実績は申し分なし。
但し、残念な点が。
それは現在の予想PERが約38倍と非常に高いこと。
その結果配当利回りは2.1%となっている。
優良銘柄の人気が高いのは当たり前と言えば当たり前。
ただ長期投資を前提とすれば株価上昇と配当の二兎取りを狙える銘柄ではないか?
と考えています。
尚、この銘柄は、当方が毎月アップデートしている「次は何を買おうかリスト(配当貴族銘柄編)」にも当然入っています。
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