定例の「次は何を買おうかリスト(配当貴族銘柄編)」のアップデートを行いました。
配当貴族銘柄とはご存じのとおり25年以上連続銘柄を続ける企業のこと。
そして取り上げた銘柄は、S&P500配当貴族指数を構成する銘柄。
すなわち、
① S&P500指数の構成銘柄であること
② 25年以上、連続で増配していること
③ 時価総額が30億米ドル以上であること
④ 1日当たりの平均売買代金が500万米ドル以上であること
まずこちらは配当利回り順のリストとなります。
トップ10の中で我々になじみのある銘柄と言えば、先月同様アルトリア(MO)、シェブロン(CVX)と言ったところでしょうか。ちなみにアルトリアの配当利回りは7.1%と相変わらず突出して高いものの、株価上昇により前月より1%ほど利回りを下げています。
続いて紹介するのがこちらのリスト。
こちらはトータルリターン(10年)が市場平均(SP500)に連動する代表的なETFであるVanguard S&P 500 ETF(VOO)のトータルリターン13.24を超える銘柄のみをピックアップしています。
トータルリターンとは
トータルリターン(Total Return)とは、一定期間内に投資商品への投資から得られる総合収益を指します。
これにはキャピタルゲイン(譲渡益)だけでなく、再投資された分配金(インカムゲイン)などが含まれます。
こうした利益の合計額を投資コスト(購入価格)で割ってパーセンテージで表すことが多く、総収益率ともいいます。
トータルリターンは、投資信託の運用成績を表す際に用いられます。
分配金を全て再投資したと仮定し、ある一定期間の分配金込みの基準価額の騰落率を年率で表します。
(SMBC日興証券HPより)
全17銘柄を見るとやはり高配当と高成長は両立しない、というセオリーを垣間見ることのできるリストとなっていますが、注目はこれまで唯一の例外銘柄、つまり高配当・高成長銘柄としてランクインを続けていた研究開発型バイオ医薬品企業のアッヴィ(ABBV)が12.64とランク外となったこと。
トータルリターンを落とした理由ですが、以前の記事でも触れたとおり開発中の統合失調症治療薬エムラクリジンの試験結果の公表。
アッヴィは11月11日に公表した声明で、成人の統合失調症患者を対象にエムラクリジンを1日1回経口治療薬として検討した第2相試験は、「統計学的に有意な」改善を示すという主要評価項目を満たさなかったとコメント。
最高科学責任者であるRoopal Thakkar氏は声明の中で、「今回の結果には失望しているが、次のステップを決定するためにデータの分析を続けている。」と述べています。
この発表を受け、当日の株価約12%の大幅下落となり、その後の株価がさえない状況となっています。
全17銘柄の中でもっとも配当利回りの高いネクステラ・エナジーでもその利回りは2.6%。
ということで、やはりいいとこ取り、つまり、
25年以上連続増配を継続しつつ利回りが高いにもかかわらず株価も順調に上昇している銘柄はなかなか存在しない。
という現実を表すリストとなっています。
ただそんな中でもこうやって毎月リストを愚直にアップデートすることで、いつの日か2019年にアッヴィを初めて購入した時のように、連続増配+株価上昇+高利回りのいわゆる二兎取りならぬ三兎取り銘柄に新たに出会える日が来る、と信じています。
また、今回はランク外となったアッヴィも返り咲きの可能性は十分ある、と考えています。
インカムゲイン銘柄のパフォーマンスが市場全体のそれに劣後することを否定する気は毛頭ありませんが、いかなる相場環境にあっても長きに渡り増配を継続してきた銘柄が投資家に安心感を与えていること、これだけは確かです。
何はともあれ本リストが皆さんの銘柄選びの参考になれば幸いです。
(本リストを妄信しての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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