シェール企業、ホワイティング・ペトロリアム(WLL)が連邦破産法11条(民事再生法に相当)の適用を申請し経営破綻しました。
その理由はもちろん原油価格の暴落。
この企業の場合原油暴落前の2019年末時点ですら営業利益で支払い利息をカバーできていなかった。
そして現預金残高はわずか9百万ドルしかなかった。
そこに今回の原油価格の大暴落がとどめを刺した。
要は資金繰りに窮した、というわけです。
ホワイティング・ペトロリアムは上場シェール企業で最初の倒産となりましたが、市場では「次はどこ?」という話題に移っているようです。
体力的に厳しいシェール企業の倒産はまだ続くと考えられます。
そもそも過去においても原油暴落時はシェール企業は厳しい状況に追い込まれてきました。
今回の場合新型コロナウイルス流行に加えサウジアラビアとロシアの対立によるサウジアラビアの増産決定がさらに追い打ちをかけた。
その両国の場合、原油を産出するのは国営企業。
一方米国は民間企業。
そしてその末端に位置するのがシェール企業、というわけです。
当然採算ラインとなる原油価格も高い。
となれば、今回のような価格大暴落時はひとたまりもない。
いい方に語弊があるかもしれませんが、市場においてはとかげのしっぽの役割を果たしている、というわけです。
弱いものは淘汰される。そしてそれによって生産量が減少し、需給バランスが調整される。
それが健全な市場(原理)というもの。
さらにそこに政治的な思惑が加わる。
エクソン・モービルやシェブロンと言えば米国を代表する企業であり、ロビー活動も活発。
その企業をつぶすわけにはいかない、つぶすはずがない。
折しもウォールストリートジャーナルが、トランプ大統領が4月3日に米国の石油会社の幹部らと会談し、原油価格の急落に直面する業界の援助について話し合う予定、と報じています。
そしてそのメンバーがまさにエクソン・モービル、シェブロン、オクシデンタル・ペトロリウム、そしてコンチネンタルリソーシズのCEO達。
ということで、サウジが要請した、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要国での市場安定のための緊急会合とともに会談の結果に注目しているところです。
(原油価格暴落中のエネルギー銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
よろしければ応援クリックお願いします。
にほんブログ村