現地時間の10月30日に電力と天然ガスのサービスを提供するエクセル エナジー(XEL)が2024年第3四半期決算を発表しました。
エクセル・エナジー (Xcel Energy, Inc.) は、電力と天然ガスのサービス会社。 米国で、発電、送電、配電のほか、天然ガスの供給などのさまざまなエネルギー関連サービスを提供する。
コロラド、ミシガン、ミネソタ、ニューメキシコ、ノースダコタ、サウスダ コタ、テキサス、ウィスコンシン州の顧客向けに事業を展開。
(ブルームバーグより)
概要は以下のとおり。
売上は前年同期並みの3,644百万ドル。
そして1株利益は減価償却費、支払利息、営業費用およびメンテナンス費用は増加したものの主にインフラ投資の回収増により、前年同期の1.19ドルに対し1.21ドルと1.7%の増益、また特殊要因を除く1株利益(継続的利益)は前年同期の1.23ドルに対し1.25ドルと1.6%の増益となっています。
次にアナリスト予想との比較は以下のとおりとなっており、売上、調整後1株利益ともに予想を下回っています。
最後に注目の通期予想1株利益は前回予想の3.50ドル~3.60ドル、前期実績に対し4.5%~7.5%増の予想を据え置いています。
以上、増益は確保したものの市場予想を下回ったこの銘柄ですが、懸念事項と言えば、今年2月に発生した同社が関与したテキサス・パンハンドル地域の大規模な山火事(スモークハウス・クリーク火災)。
その最新の状況ですが、決算資料において、
・スモークハウス・クリーク火災複合施設に関連する損害について、損害賠償請求手続きを通じて約179件の請求を受け、そのうち86件について最終的な和解に至っている。
・スモークハウス・クリーク火災に関連して損失が発生する可能性が高いと判断し、2024年9月30日現在のその他の流動負債に2億1500万ドルの損失見積額を計上している。尚、この金額は当社が合理的に見積もることができる損失範囲の下限に相当し、今後追加情報に基づいて変更される可能性がある。
・当社は、潜在的な賠償責任額に影響を及ぼす可能性のある未知の事実や法的考慮事項が多数存在するため、追加的な損失額やその上限額を合理的に見積もることができず、損害賠償の金額は保険金約5億ドルを超える可能性がある。
との記載がありました。
第2四半期決算発表時点の情報に対し請求件数と和解件数は増加していますが、損失見積額、保険金金額に変更はないものの、保険金金額を超える可能性があることは十分頭に入れておく必要があるでしょう。
さらに注意しなければならないのはエクセルエナジーは 2021年12月、コロラド州ボルダー郡で発生したいわゆるマーシャル山火事(6,000エーカー以上が焼失、1,000棟以上の建造物が倒壊または損壊。)の訴訟も抱えていること。
こちらもいまだ未決着ですのでテキサスの山火事と合わせリスクとして認識しておく必要があります。
尚、エクセル エナジーは長期目標を開示していますが、今回前回数値を一部変更し以下のとおり開示しています。
・1株当たり3.55ドル(2024年の継続的利益ガイダンス3.50~3.60ドルの中間点)に基づき、長期的な年間EPS成長率を6~8%にする。
・ 年間4%から6%の増配。
・配当性向50%から60%を目指す。
・有担保優先債務格付Aレンジを維持する。
このうち配当については前回は”年間5%から7%の増配”との記載でしたが、今回(しれっと(?))1%下方修正し4%から6%の増配としたのは非常に残念。
ではありますが、いまだ許容範囲と考えています。
ということで、売上△✕、利益○✕、予想△ =(でも)保有継続
とします。
(長期増配目標を下方修正した銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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