ロイヤル・ダッチ・シェルが9月30日に「2022年末までの7,000人から9,000人の人員削減の実施」を発表しました。(1500人の年内の自主退職を含む)
シェルの総従業員数は約83,000人ですから、約1割もの規模ということになります。
今回のリストラ実施をベン・ヴァン・バーデンCEOは、「ゼロエミッションエネルギー企業になるという野心に基づく、会社の将来のために行うべき正しいことである。」と述べています。
シェルが、2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を実現させる、と発表していることはすでにお伝えしたとおり。
ゼロエミッションに関してCEOは、「2050年までに販売するエネルギーの組み合わせには石油とガスが含まれる予定であるが、それは主に低炭素電力、低炭素バイオ燃料、水素、その他のあらゆる種類のソリューションになる。」とも述べています。
いずれにせよシェルが脱石油、天然ガス企業への道を着々と歩んでいることは明らか。
折しも9月29日、アメリカではトランプ大統領とバイデン前副大統領の大統領候補者2人による初のテレビ討論会が開かれました。
その内容はトランプ大統領の度重なる暴走等、「史上最悪の討論会」と揶揄されるほどひどいものだったわけですが、一部では「負けたのは米国民。今回の討論会で状況はそれほど変化しなかったのでは?」とも言われています。
ただいずれにせよ環境問題に背を向け続けるトランプ氏に代わり、現在優勢が伝えられているクリーンエネルギー政策を掲げるバイデン氏が予想どおり当選すれば、ロイヤル・ダッチ・シェルにとって追い風となることは確か。
とここで気になるのがエクソン・モービル。
環境問題対応に積極的でないこともそうですが、それ以上に気になるのが配当。
つまり減配の可能性。
この銘柄はコロナ流行による原油価格暴落前の2019年からすでに設備投資と配当を営業キャッシュフローでまかなえていなかった。
それが今期に入りコロナ流行による原油価格暴落でさらに状況は大幅に悪化。
このまま状況が変わらなければ減配は100%確実。
そんな中9月22日には一部資産の売却に関するニュースが報道されたものの、その後動き(リリース)はなし。
230億ドルの設備投資資金と150億ドルの配当支払をまかなうためには、一部資産の売却や経費削減だけでは不十分、今回シェルが実施したような大規模なリストラが必要であることは自明の理ではないでしょうか。
エクソン・モービルの増配タイミングでの配当宣言は今月の終わり、とリミットまであとわずか。
どうする、エクソン・モービル?
(環境問題に消極的な銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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こんにちは。
何しても、原油株の下落が止まらないですね。
このままだと、原油の価格がマイナスに突入した時の水準までも下がりそうです。
rdsbは19ドル割れもあり得るんですかね。確かに置かれている状況が厳しいのは分かりますが、嫌われているようにも感じられます。
あおばさん
こんばんは。
ホント止まりませんね。
まあさすがにマイナスはないと思いますし、ここはプラス値がつくだけまだ良し。って考えるようにしています。
rdsbだけが嫌われていることは決してないと思います。個人的には将来を見据えやるべきことをきちんとやっている、という印象です。