半導体大手のブロードコム(AVGO)が現地時間の6月12日に2024年第2四半期決算を発表しました。(ブロードコムの決算期は10月です。)
尚、今回が仮想化技術やクラウド技術などを手掛けるVMware(ヴイエムウェア)を買収してから2回目の四半期決算となります。
概要は以下のとおり。
売上は全体で第1四半期の前年同期比34%増を上回る43%増、これをセグメント別に見ると以下のとおりセミコンダクター ソリューション(半導体)セグメントの6%増に対し、買収によりインフラストラクチャー ソフトウエアセグメントが175%の増収と大きく伸びている状況が見て取れます。
またVMware(ヴイエムウェア)を除いた売上が前年同期比12%増となったこと、さらにAI関連売上が第1四半期の23億ドルから31億ドルと大幅に増加したことは朗報でしょう。
そして会計基準ベースの1株利益(潜在株式調整後)は前年同期の8.15ドルに対して4.42ドルと大きく減少していますが、これは買収関連の無形資産の償却費、株式報酬費用、リストラ費用等の特殊要因のため。
特殊要因を除外した調整後1株利益は第1四半期同様6%増となっています。
尚、アナリスト予想(FactSet consensus)との比較は以下のとおりとなっており、売上、調整後1株利益ともに予想を上回っています。
またキャッシュフロー関係では、買収により調整後EBITDAが前年同月比で31%増と大きく伸びたのに対し、営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローはともに前年同期比で微増の2%増となっていますが、リストラと買収の影響を除いたフリーキャッシュフローは前年同期比(累計値ベース)18%増だったとのこと。
EBITDAとは
EBITDAとはEarnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの略で、税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益を指します。
国によって金利水準、税率、減価償却方法などが違うため、国際的企業の収益力は一概に比較することはできません。
その点、EBITDAはその違いを最小限に抑えて利益の額を表すことを目的としていますから、国際的な企業、あるいは設備投資が多く減価償却負担の高い企業などの収益力を比較・分析する際にしばしば用いられます。
(SMBC日興証券)
最後に注目の今期通期予想は以下のとおりとなっており、売上、調整後EBITDAともに前回予想を上方修正しています。
以上、引き続きAI売上とVMware(ヴイエムウェア)に牽引されたことが確認されたこの銘柄ですが、今回の決算発表で7月12日の取引終了後に1株につき10株の株式分割を実施する予定であることを公表。
分割調整後の取引開始は 2024年7月15日の予定。
分割が株価に与える影響については様々な意見があるわけですが、最高財務責任者(CFO)のカーステン・スピアーズ(Kirsten Spears)氏が決算リリースの中で
「投資家や従業員がブロードコム株を所有しやすくなる。」と述べたとおり株主の立場に立った決定であることは確か。
ということで、売上〇、利益〇、予想〇 +株式分割発表 = ホールドです。
(有利子負債残高が年間売上を大きく上回っている銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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