半導体大手のブロードコム(AVGO)が現地時間の9月5日に2024年第3四半期決算を発表しました。(ブロードコムの決算期は10月です。)
概要は以下のとおり。
売上は全体で第2四半期の前年同期比43%増を上回る47%増、これをセグメント別に見ると以下のとおりセミコンダクター ソリューション(半導体)セグメントの5%増に対し、買収によりインフラストラクチャー ソフトウエアセグメントが200%の増収と大きく伸びている状況が見て取れます。
但し買収したVMware(ヴイエムウェア)を除いた売上は前年同期比4%増とやや伸び悩んでいます。
続いて利益ですが、会計基準ベースの1株利益(潜在株式調整後)は前年同期の0.77ドルに対して-0.40ドルと赤字に転落していますが、これはサプライチェーン再編成の結果、特定の知的財産権の米国へのグループ内移転の影響による一時的な現金支出を伴わない税金引当45億ドルを計上したため。
この税金引当や買収関連の無形資産の償却費等の特殊要因を除外した調整後1株利益は前年同期の1.05ドルに対し1.24ドルと18%増となっています。
尚、アナリスト予想(FactSet consensus)との比較は以下のとおりとなっており、売上、調整後1株利益ともに予想を上回っています。
またキャッシュフロー関係では、買収により調整後EBITDAが前年同月比で42%増と大きく伸びたのに対し、営業キャッシュフローは5%増、フリーキャッシュフローは4%増となっていますが、リストラと買収の影響を除いたフリーキャッシュフローは前年同期比14%増だったとのこと。
EBITDAとは
EBITDAとはEarnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの略で、税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益を指します。
国によって金利水準、税率、減価償却方法などが違うため、国際的企業の収益力は一概に比較することはできません。
その点、EBITDAはその違いを最小限に抑えて利益の額を表すことを目的としていますから、国際的な企業、あるいは設備投資が多く減価償却負担の高い企業などの収益力を比較・分析する際にしばしば用いられます。
(SMBC日興証券)
最後に注目の今期予想ですが、今回第4四半期予想を開示しており、
売上収益:約140億ドル。
調整後EBITDA:予想売上収益の約64%。
としていますが、第3四半期までの実績と合わせた通期売上予想は約515億ドルとなり、前回予想の約510億ドルを上回ることになります。
また第3四半期までの実績と合わせた調整後EBITDAの通期予想は約317億ドルとなり、こちらも前回予想の約311億ドルを上回ることになります。
さらにAI関連売上は120億ドルに達すると予想、前回見通しの110億ドルから引き上げています。
株価は第4四半期の半導体の売上予想が期待外れだったことから約10%の大暴落となりましたが、当方あまり気にしていません。
そもそもAIブーム、つまり人々の熱狂によって株価はかさ上げされていた。それは暴落後でも約60倍という異常に高い予想PERを見ても一目瞭然。
それが調整されているに過ぎない。
当方が気にするのは配当であり、その源泉である利益。
その意味では真の稼ぐ力を表す営業キャッシュフローは増加している状況であり心配はしていません。
ということで、売上〇、利益〇、予想〇 = ホールドです。
(有利子負債残高が年間売上を大きく上回っている銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
よろしければ応援クリックお願いします。
にほんブログ村