たばこ銘柄のフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)が現地時間の10月22日に2024年第3四半期決算を発表しました。
まず決算概要(会計基準ベース)は以下のとおり。
売上は前年同期比で8.4%の増収と好調を維持。
これを製品別の出荷数量・金額で見ると以下のとおり紙巻きたばこは数量ベースで1.3%増と第2四半期に続いての増収。
また加熱式たばこと無煙たばこは数量ベースでそれぞれ8.9%、24.7%増。
金額ベースでは紙巻きたばこは値上げによって5.2%増、加熱式たばこと無煙たばこ合計で14.4%の増収となった状況が見て取れます。
続いて利益ですが、1株利益は会計基準ベースで前年同期比+49.2%と大幅増となりましたが、減損損失、投資有価証券の公正価値評価、無形資産償却等の特殊要因を除いた調整後1株利益は売上の増加等により前年同期の1.67ドルに対して1.91ドルと14.4%増となっています。
次にアナリスト予想との比較ですが、売上、調整後1株利益ともに予想を上回っています。
最後に注目の2024年の調整後1株利益の通期予想は、以下のとおり前回予想(6.33ドル~6.45ドル)を上方修正(6.45ドル~6.51ドル)しており、2023年実績(6.01ドル)に対して7.3%~8.3%の増益予想としています。
以上、為替の逆風にもかかわらず売上は好調、また第2四半期決算時に続き通期予想を上方修正したことは何より朗報。
但し懸念事項がないわけではない。
それがカナダにおけるたばこ製品関連訴訟。
その訴訟に関して10月18日、裁判所が選任した調停人兼監視人からフィリップ・モリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、日本たばこ産業の(関連会社)3社が325億カナダドル(235億米ドル)を支払う旨の和解案が提示されました。
この巨額和解金の3社における配分はいまだ決定されていませんが、最終的に和解案が承認された場合、かなりの影響が予想されます。
その影響に関してですが、現在フィリップモリスは訴訟対象となっているカナダの関連会社ロスマンズ・ベンソン・アンド・ヘッジズ(RBH)社を連結対象としていません。
但し、仮に和解に伴いRBH社を再連結する必要性が生じた場合、当然フィリップモリスの財務諸表、つまり現金、キャッシュフロー、営業利益、当期利益等の数値に直接影響を及ぼすことになります。
一方連結外(のままで良い)ということになれば、投資持分の減損損失で済むことになるはず。
いずれにしてもこの件については今後もモニターしていくつもりです。
以上、売上〇、利益〇、通期予想〇 = 保有継続です。
(莫大な和解金支払いの可能性のある銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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