銘柄研究

銘柄研究 -ゼネラルミルズ(GIS)について

銘柄研究ということで、今回は食品大手のゼネラルミルズ(GIS)を取り上げました。

業務内容・沿革

スナック菓子、ヨーグルト、シリアル、冷凍食品、ミックス粉、パン生地、アイスクリームなどを製造・販売する。

100を超える商品ブランドを保有し、6大陸100カ国で製品を販売している(2024年5月末時点)。

「ハーゲンダッツ」や「グリーン・ジャイアント」など複数の著名ブランドを保有。

米小売大手のウォルマート・ストアーズ(WMT)を主要顧客とするほか、外食産業、商業ベーキング産業向けにブランド、ノーブランド食品の提供を行う。

M&Aで業容を拡大。18年4月、健康志向の自然食ペットフードを手がけるブルー・バッファロー・ペット・プロダクツを買収した。

20年7月にはタイソン・フーズからペットフード事業を買い取っている。(日経新聞より)

日本ではあまりなじみのない会社かもしれませんが、アメリカ国外のハーゲンダッツはゼネラルミルズの傘下、またハウスのとんがりコーンは元々ゼネラルミルズの商品であり提携を経て発売された経緯があります。

直近の業績ですがまずは売上から。(尚ゼネラルミルズの決算期は5月となっています。)

こちらは過去5年間の売上の推移となりますが、2020年から2023年までは増収を続けてきましたが、直近2024年では数量減少を値上げで補えず1.2%の減収となっています。

続いては1株利益(潜在株式調整後)の推移。

こちらは右肩上がり、というわけには行っていませんが、安定した数字を残しています。

そして稼ぐ力を表す営業キャッシュフローマージン。

営業キャッシュフローマージンとは

企業がどれほど効率的にキャッシュを稼いだかを示す指標であり、営業活動の結果として売上がどのくらいの営業キャッシュフローを生み出したかを表している。

計算式は、営業キャッシュフロー÷売上高で表される。

PL(損益計算書)上の利益はお化粧が可能だが、営業キャッシュフローは資金の入出金であり、会計基準・会計方針等の影響を受けないいわばごまかしのきかない数字である。

従って同業他社を比較する際にも有用である。

御覧のとおりのでこぼこ状態、ではありますが、直近2024年では15%を超える16.6%となっており、同業の食品業界の巨人、ネスレ(NESTLE)が17.1%(2023年12月期)であることを考えればまずまずの数字ではないでしょうか。

さらに財務面。

具体的には財務の安定度合い。

使用したのは有利子負債営業キャッシュフロー倍率。

有利子負債営業キャッシュフロー倍率とは、簡単に言えば今ある借金を毎年の稼ぐ力で何年で返済できるか?という数字(年数)であり、数字が少なければ少ないほど返済能力が高い、つまり財務的に安定しているということになります。

<計算式>

有利子負債営業キャッシュフロー倍率=有利子負債÷営業キャッシュフロー

御覧のとおり3倍後半から4.2倍の範囲となっており極めて安定している状況。

尚、ネスレの直近2023年の倍率は3.5倍でありそれほど大きな差(上記のとおりゼネラルミルズの直近2024年は3.9倍)はありません。

最後に注目の配当。

直近2025年度(予想)の増配は1.7%にとどまっていますが、2021年以降は増配継続中となっています。

そして配当性向は以下のとおり極めて安定しており、決して無理をした増配でないことがわかります。

最新の決算ですが、2025年第1四半期決算は以下のとおり減収(-1.2%)、減益(-1.8% 調整後1株利益ベース)。

また通期予想は前回予想を維持しているものの、前期比ではほぼ横ばい予想。

この銘柄の最近の話題と言えば買収。

現地時間の11月13日に北米でのプレミアム猫用餌とペット用おやつ事業の買収の一環として、ホワイトペットブランドの北米子会社を約14億5000万ドルで買収することを発表しました。

買収の主な目的は、現在ゼネラル・ミルズが参入していない、高成長のプレミアム猫用ウェットフード市場において足がかりを得るため。

今回の買収がゼネラルミルズにとって5社目のペットフード買収となり、2018年以降ブルー・バッファロー、ナッジズ・トップチューズ・アンド・トルーチューズ、フェラ・ペッツそして今年初めにはエドガード&クーパーと矢継ぎ早に買収しています。

スーパーマーケットニュースによると、ターゲット(TGT)やウォルマート(WMT)といった小売大手も、ペット用品の棚スペースを増やしているとのことで、今後成長が期待できる分野への集中投資は十分理解できます。

以上見てきましたが、この銘柄に限らず食品業界は昨年からおしなべて逆風下にあるわけですが、上記業績と現在の3.6%の配当利回りを合わせて考えればインカムゲイン投資家として投資対象になり得る銘柄では?

と考え始めているところです。

(業界自体が向かい風状態にある銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

よろしければ応援クリックお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です