現地時間の6月24日、通信大手のAT&T(T)が有利子負債の返済情報をリリースしました。
リリース文章の内容は以下のとおり。(勝手訳です)
AT&Tは資本構造を積極的に管理し、今後の満期の有利子負債を削減し続けます。
AT&Tは約43億ドルに達する6つの債券の元本と合計10億ドルに上る定期ローンの返済分の全額を返済します。
これらの返済の元本総額は約53億ドルです。
最近発表された返済活動と継続する強力なキャッシュフローが組み合わされた結果、将来の短期債務は非常に管理しやすくなっています。
この一連の取引は、株主への配当金の支払い及び成長分野であるファイバー、5G、HBO MAXへの投資に引き続き取り組んでいるにもかかわらず、AT&Tが引き続き信用の質を向上させるという計画に沿ったものです。
AT&Tは配当が2020年通年のフリーキャッシュフローの60%になると予想しています。
これにより2020年中も引き続き負債水準を削減できる柔軟性が得られます。
なぜわざわざこの時期に有利子負債の返済情報をリリースしたのか?
ですが、やはりテキサスやフロリダ、アリゾナ等の12州で新型コロナウィルス新規感染者がの増加数がこれまでの最高を記録し、全体で25%の急増、いよいよ第2波が米国内で現実のものとなりつつある中で、3月末時点で1642億ドル、日本円換算で約17兆円を超える巨額の有利子負債を抱えるこの銘柄への信用不安が高まっているから。
であることは間違いないでしょう。
だから、「大丈夫ですよ~。ちゃんと計画どおり借金は返せていますよー。」とアピールしたかった。
それはそれで結構なことですが、実はインカムゲイン投資家として気になることがありまして。
それが、
「配当が2020年通年のフリーキャッシュフローの60%になると予想しています。」
という部分。
AT&Tは第1四半期決算発表時、通期予想については新型コロナウィルスの回復に関する不確実性のため取り下げています。
その通期予想におけるフリーキャッシュフローは280億ドル、そしてこの時の配当はフリーキャッシュフローの50%でした。
これを今回60%に引き上げた。
しかし第1四半期のフリーキャッシュフローはわずか38.5億ドル。
もちろん季節的な要因はあるにせよ、前年同期と比較しても3割も減少している。
ということはこのままコロナの影響が続くようだといくら比率を60%に引き上げたところで完全に減配??
ということで、「借金の返済が予定どおりなのはいいが、60%という数字で煙に巻かないで配当も予定どおりしっかり頼むぞ!」
と早朝からPCに向かって独りつぶやいていた中年投資家なのでした。
(新型コロナウィルス感染の終息が見えない中、巨額の有利子負債をかかえる銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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