半導体大手のインテル(INTC)が現地時間の8月19日に総額100億ドルの自社株買い実施を発表しました。
具体的には”自社株買い加速計画”に合意した、ということでどうやら2019年10月に発表した総額200億ドルの自社株買いを(現在の経済状況下)にあっても加速させる、つまり実施するという意味のようです。
そのインテルと言えば、7月23日、回路線幅7ナノ(ナノは10億分の1)メートルの半導体技術の開発が予定より6カ月遅れていると明らかにし、外部への生産委託拡大を検討する方針を発表。
また7ナノ技術のチップの発売は2022年末ないし23年の早い時期になると述べ、予定より1年遅れになる見通しを示しました。
これを受け、すでに7ナノ技術のチップを販売しているアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)との差がさらに開いたことから、株価は大きく下落している状況。
インテルとしてはこの株価の下落になんとか歯止めをかけようと、いまだコロナ真っただ中にありながらあえて今回自社株買いの発表をしたことは以下CEOボブ・スワンのコメントを見ても明らか。
「マクロ経済環境は依然として不透明ですが、インテル株は現在、本来の評価をはるかに下回って取引されており、現時点ではこれらの自社株買いは慎重なものであると考えています。」
尚、今回発表の自社株買いのコストに関してはすべて自己資金でまかなう、つまり借入はしないとのことでこのあたりはコロナ下にあっても潤沢なキャッシュフローを生み出すことができるからこそなせる業、と言えます。
仮に今回発表の100億ドルの自社株買いが完了すれば単純計算(購入平均株価50ドル)で発行済株式数は5%弱減少することになります。
となればたとえ前年と同額の配当支払いとした場合でも5%程度の増配となります。
もちろん今回のリリースはインカムゲイン投資家にとってグッドニュース。
ただ上記のとおり技術開発では特に後発のライバルAMDに大きく後れを取っていることは明白。
普通に考えれば今後PC向けのみならずサーバー向けのチップでのシェアを徐々にAMDに奪われて行くことは確実。
ということで、この銘柄については今後の引き際も視野に入れながら、決算発表の数字をいつも以上に慎重にモニターしていきたいと考えているところです。
(自社株買い発表直後の銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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