通信大手AT&Tが現地時間の5月17日、傘下のワーナーメディア事業を分割し、同業のメディア大手ディスカバリーと統合して新会社を設立する、と発表しました。
新会社の企業価値は1500億ドル(約16兆円)。
手続き完了は2022年半ばの予定。
以前AT&Tはワーナーメディアを分離、または売却等して通信事業に注力するとの見方も出ていたため。今回の動きは方向転換とも受け止められているようです。
統合の目的は両社が合併することで提供できるコンテンツの幅を広げ数を増やすことで、契約者の増加を狙い、メディア業界の主戦場となったストリーミング市場で先行するネットフリックスやウォルト・ディズニーに対抗すること。
AT&Tは2018年にタイムワーナーに対する854億ドルでの巨額買収が完了し、有利子負債残高が大幅に増加。
これに対応するために衛星放送事業のディレクTVの一部を売却する等、本業以外の資産売却を進めて来ているものの、最近では周波数帯オークションの落札や本業の通信事業で、高速通信規格「5G」網構築に多額の資金が必要になっているためにさらにその残高を増加させており、これが投資家のこの銘柄に対する大きな懸念となっています。
そんな中での今回の新会社設立となったわけですが、今回の再編によりAT&Tは日本円換算で4兆円を超える資金(430億ドル)を受け取ることになると言われており、これを負債の削減に充てることができることは確か。
一方インカムゲイン投資家にとって気になるコメントが。
それが、
新会社誕生誕生時に、配当はワーナーメディアの分離を考慮して金額が変更されることになり、年間配当支払いはフリーキャッシュフローの40%から43%とすることを目標としている。
と述べた。
こと。
もちろんメディア事業分離によってAT&T本体の規模はその分小さくなるわけで、配当額が減少するのは当然。
のわけですが、果たして新会社がどの程度の配当を支払うのか?
総額で現在の配当と同額の配当を支払ってくれるのか?
そのカギを握るのは新会社の業績次第、ということになるわけですが、1年後の新会社誕生までこの銘柄に関する情報をしっかりフォローする必要がありそうです。
以上、ご参考まで。
(新会社設立によって配当の先行きが不透明となった銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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