インカムゲイン投資家としてこれまで10年以上の長きに渡りひたすら配当の全額再投資を続けて来ました。
そう、スノーボール投資。
たとえ最初は小さな雪玉でも、毎月追加投資を続けることでそのボールはどんどん大きくなっていく。
最初は微々たる金額でも、増配銘柄へ投資することでその金額は着実に増加していく。
そして地道に増配銘柄へ再投資することで配当が配当を生み、これに時間という老若男女すべての人に平等に与えられた強い味方が加わって、雪玉はどんどん大きくなっていく。
その結果ついに目標額である年間配当収入300万円を達成できた。
しかし、今回(6月)は初めて再投資をしませんでした。
そう、ついに再投資をストップした。
これは当方にとって非常に大きな決断。
その理由ですが、
60歳での(アーリー)リタイアを確実に実現するため。
当方の場合公的年金の支給開始は65歳から。
60歳でリタイアする場合、65歳までの5年間は収入がゼロになる。
つまりリタイアするための必須条件が、この5年間の生活費を確保しておくこと。
我が家の必要生活費は夫婦二人で年間約300万円。
5年分となれば1,500万円を工面しておく必要がある。
これに対して現在の預金残高はこの金額を下回っている。
実は当方、最初は不足分はリタイア後毎月の配当金の一部を生活費に回すことで対応しようと考えていた。
その一番の理由が、配当の再投資を止めたくなかったから。
というか、今や一番の趣味となっている株式への追加投資を継続したい。
この思いが強かった。
しかし60歳まで1年を切ったここに来て考えが変わった。
つまり、
まずは1,500万円を工面しておきたい。
という気持ちが非常に強くなった。
そしてこの心境の変化の背後にあるのが、
安心。
安心感。
例えば株式、債券、金のパフォーマンスを長期で比較した場合、株式(投資)でのリターンが最も高いのは自明の理。
とは言え、そのボラティリティは大きく、マイナスのリターンに終わる年もある。
(各商品のパフォーマンス比較が知りたい方は、たぱぞうさんの新著、「米国株で始める100万円からのセミリタイア投資術」の88ページのグラフを参照願います。)
いくら増配銘柄への投資を続けているとは言え、配当利回りの高い銘柄を多く抱えており、減配の可能性もある。
(それはロイヤルダッチシェルしかり、そして直近ではAT&Tしかり、過去の苦い経験からも明らか。)
実は最近になってこれらのネガティブな要素を強く意識するようになった。
そしてより安心感を求める背後には、年齢、というか特に最近心身の衰えを日々如実に感じるようになったことがある。
つい最近届いた会社での健康診断結果を見てさらにその気持ちが強くなった。
この心境の変化は実際に年齢を重ねなければ決してわからない。と思います。
ただ当方にとって追加投資できないということは、ある意味羽をもぎ取られた鳥のようなもの。
ある意味苦渋の決断。
少々大げさですが、この先暗黒の世界が待っているとも言える。
しかしトンネルの先には光が見えている。
1,500万円を捻出した後は、また以前のように再投資を始めることができる。
そう、未来には希望がある。
その希望を胸にしばらくの間バーチャル(たられば)取引で辛抱しようと考えているところです。(涙)
(配当金の再投資ストップの判断にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
使い道があっての投資なのでいいのではないでしょうか。
投資できる時間が短くなれば使う事を考えないといけないと思いますから。
健康面の問題が出てくればなおさらだと思います。
私は今配当は全額現金で生活費としています。
お金のあるうちは余裕があるように思えてもいざとなると余裕は全くなくなるそういう物だと実感してます。
たなかさん
コメントありがとうございます。
まったくおっしゃるとおりで、何のための投資か、ということが重要。
使わなければ意味がありませんもんね。