半導体大手のブロードコム(AVGO)が現地時間の5月26日に2022年第2四半期決算を発表しました。(ブロードコムの決算期は10月です。)
概要は以下のとおり。
売上は全体では前年同期比23%増、これをセグメント別に見るとセミコンダクター ソリューション(半導体)セグメントが29%増の大幅な増収、またインフラストラクチャー ソフトウエアセグメントが5%増とともに増収を達成しています。
そして会計基準ベースの1株利益(潜在株式調整後)は80%の増益、また買収関連無形資産の償却費等の特殊要因を除外した注目の調整後1株利益でも37%の増益となっています。
さらににアナリスト予想(FactSet consensus)との比較は以下のとおりとなっており、売上、利益ともに予想を上回りました。
また注目のキャッシュフロー関係では、営業キャッシュフローは前年同期比で19%増、フリーキャッシュフローは21%の増加、また調整後EBITDAは29%増となっています。
EBITDAとは
EBITDAとはEarnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの略で、税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益を指します。
国によって金利水準、税率、減価償却方法などが違うため、国際的企業の収益力は一概に比較することはできません。
その点、EBITDAはその違いを最小限に抑えて利益の額を表すことを目的としていますから、国際的な企業、あるいは設備投資が多く減価償却負担の高い企業などの収益力を比較・分析する際にしばしば用いられます。
(SMBC日興証券)
以上、売上、利益ともに好調、第1四半期のトレンドをしっかり維持しています。
そして次回2022年第3半期予想売上は以下のとおりとなっており、こちらもアナリスト予想を上回りました。
これだけでも十分うれしいのにさらにインカムゲイン投資家にとってうれしいお知らせが。
ブロードコムは前期2021年12月期決算報告で、2022年に100億ドルの自社株買いプログラムを承認しているわけですが、今回取締役会は、2023年12月31日までに100億ドルを上限として普通株式を買い戻す新たな自社株買い戻しプログラムを承認しています。
つまり今年、来年とそれぞれ100億ドルの自社株買いを実施するということ。
以上、売上〇、利益〇、予想〇、さらに自社株買い◎
ということでもちろんホールドです。
といつもならここで終わるのですが、実は気になる発表が。
それが、クラウド関連大手の米ヴイエムウェア(VMウェア)の巨額買収。
買収額は現金と株式交換の組み合わせで約610億ドル(約7兆7500億円)にもなる予定。
買収目的は成長が続くクラウドコンピューティング分野に強いVMウェアを取り込み、収益性が高いソフト部門の強化につなげること。
当ブログでも度々紹介していますが、ブロードコム、というかはホック・タンCEOは買収上手。
最近でも2018年に企業向けソフトの米CAテクノロジーズを190億ドルで、また2019年には米シマンテックの法人部門を107億ドルで傘下に収めています。
そして買収によって売上、利益ともに拡大させて来た。
つまり買収を成功させて来た。
ただ上記決算を見ればわかるとおり現在業績は好調。
なにもここで買収、しかも大型買収をしなくても。
と思うのですが、ホック・タンCEOはソフトの売上比率を高め、半導体会社からの脱皮を図りたいようです。
買収完了は2023年10月期を目指す、とのことですが、買収によってどの程度利益が増加し、どの程度(インカムゲイン投資家が大嫌いな)発行済株数が増加するのか?
詳細が明らかになり次第試算してみたいと考えているところです。
(現在業績は絶好調も大型買収を予定している銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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