現地時間の1月30日に第4四半期決算を発表したアルトリア(MO)ですが、第3四半期に引き続き電子たばこジュールの株式の(再)減損を実施したことで再び赤字に転落。
(その減損額は41億ドル、これで合計で86億ドルの減損となり、総投資額の約3分の2を減損したことになります。)
その結果発表当日の株価は約4%下落したことはすでにお知らせしたとおりです。
http://naobito.net/financial-result-mo-20204q/
しかし、当方この銘柄に関しては今期も増配が期待できるのでは?
と期待しています。
その一番の理由が会社が公表した今期予想。
2020年の調整後1株当たり利益予想は2019年実績の4.22ドルに対し4.39ドル~4.51ドル、4~7%の増益に設定しています。
そしてこの予想には、喫煙年齢の21歳への引き上げ等による国内におけるたばこ数量の4~6%の減少を織り込んでいます。
一方アルトリアの配当政策である調整後1株当たり利益の80%の配当性向は今回も維持する予定。
ということで仮に予想の下限値である4.39ドルで着地したとすると、その配当は、
4.39ドル×80%=3.51ドル
3.51ドル÷4=0.88ドル
現在の1株配当は0.84ドルですから、4.8%の増配となり前期5%とほぼ同程度の増配率となるわけです。
さらに言えば影響額としては小さいものの、今期5億ドルの自己株買いを予定しています。(これにより配当の支払い対象となる発行済株式数が減少する。)
と書くと、
「いやいや、そもそも通期予想の1株利益4.39ドル~4.51ドルはあくまで予想であって達成できるかどうかわからないじゃないの! ましてやジュールの再々減損の可能性は元より何より今期ジュールは大赤字になるのでは?」
という突込みが入りそう。
でも、ジュールの件はあまり心配していません。
なぜなら仮に再々減損したとしても、その損失は調整後1株利益の計算からは除かれてしまうから。
そしてジュールの赤字ですが、確かにこれまでであれば赤字分の一部(つまり持分割合分)はアルトリアの決算(PL)に影響を与えることになる。
しかし、今後はそうならない可能性が高いのです。
なぜならアルトリアはジュールの出資に関する会計処理を連結組み入れの一手法である持分法から単なる時価評価に変更する予定だから。
これ、少々マニアックな内容になってしまうのですが、簡単に言えばジュールの業績はアルトリアのPLには影響せず、さらに投資額の時価評価による差額分は調整後1株利益の計算からは除かれる。
ということ。
つまり配当の面から見ればジュールの動向を気にする必要はない、と考えています。
もちろん、前述のとおりそもそも会社が設定した通期予想を達成できなければ意味はありませんが、長年に渡り逆風下にさらされ続けて来たこの銘柄の場合、リストラを含め利益を捻出する術(すべ)に長けている。
そんな風に思っているのですが楽観的過ぎるでしょうか。
(たばこ銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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