銘柄研究

AT&Tが最新の経営状況を発表 その内容にひと安心も気になる存在とは

通信大手のAT&T(T)が現地時間の1月8日、Citi Global TMT West Conferenceにおいて最新の経営状況に関するプレゼンテーションを行いました。

その主な内容は以下のとおり。

・自己株購入計画に基づき、タイムワーナー買収のために発行した株式のうち1.4億株をすでに消却済み。(このうち2020年においてはこれまで約8千万株を消却)

・2019年第4四半期決算の発表は1月29日となっているが、すべて株主に約束したとおりの状況。

今期(2020年)に関して、

・1株利益3.60ドル~3.70ドル(市場予想は3.61ドル)、調整後EBITDAマージンは2019年並み。

EBITDAとは

EBITDAとはEarnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの略で、税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益を指します。

国によって金利水準、税率、減価償却方法などが違うため、国際的企業の収益力は一概に比較することはできません。

その点、EBITDAはその違いを最小限に抑えて利益の額を表すことを目的としていますから、国際的な企業、あるいは設備投資が多く減価償却負担の高い企業などの収益力を比較・分析する際にしばしば用いられます。
(SMBC日興証券HPより)

・大規模な株式消却の実施

・フリーキャッシュフローは280億ドル、またフリーキャッシュフローベースでの配当性向は50%以下のレンジ。

・売上成長率は1-2%。

このうち自己株買いについては以前「2020年の第1四半期に1億株の自己株買いを計画している。」と公表していましたが、その計画が予定どおり進んでいる状況。

また1株利益3.60ドル~3.70ドル、フリーキャッシュフロー等についても昨年10月28日の第3四半期決算発表における予想数字を維持しています。

ということでホルダーとしてはひと安心。

但しインカムゲイン投資家としてやはり気になるのが自己株買い。

ご存じのとおりAT&Tの増配は毎期判で押したように0.04ドルずつ、ということで以下のとおりただでさえ低い上に逓減を続ける増配率となっています。

そして今回の自己株買いですが、仮に予定どおりの買い付けを行ったとしても発行済株式数約73億株(2019年9月末時点)から見れば不十分。(単純計算で1億株÷73億株で全体の1%ちょっと。)

なぜなら上記のとおり会社設定のフリーキャッシュフローベースでの配当性向は50%以下だから。

仮に2020年に280億ドルのフリーキャッシュフローを計上したとしても配当に回せるのは140億ドル弱。

これでは今回の自己株買い(消却)による発行済株式数の減少を加味しても、これまでどおりの2%弱の増配率に終わる可能性が非常に高い。

ということで、ホルダーとしてはさらなる非中核資産の売却、そして物言う株主エリオット・マネジメントからの更なるプレッシャーを強く期待しているところです。

(投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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