ロイター通信が現地時間の5月28日、エネルギー大手のシェブロン(CVX)がリストラ計画の一環として全世界で10%-15%の人員削減を計画中、と報じました。
シェブロンはすでに新型コロナウィルスの世界的感染拡大による原油価格暴落を受け、30%の経費削減と人員削減を発表していましたが、今回具体的な数字が出たことになります。
現在の従業員数は約45,000人、15%として7000人弱ものリストラ規模となります。
これは先般開催された年次総会で「いまだ人員削減には踏み込んでいない。現時点で計画はない。」と発表したライバルのエクソン・モービル(XOM)とは対照的。
しかもシェブロンは以下データ&説明が示すとおり、直近ではエネルギー大手の中で最も財務内容の良い会社。
上記は各社の有利子負債営業キャッシュフロー倍率の推移グラフ。
有利子負債営業キャッシュフロー倍率とは
簡単に言えば今ある借金を毎年の稼ぐ力で何年で返済できるか?という数字(年数)であり、数字が少なければ少ないほど返済能力が高い、つまり財務的に安定しているということになります。
<計算式>
有利子負債営業キャッシュフロー倍率=有利子負債÷営業キャッシュフロー
御覧のとおり直近の2019年で見ると、シェブロンは1.0倍と最も低い数字となっています。
さらに同年のキャッシュフロー計算書を見ると、シェブロンはフリー・キャッシュフローで配当支払を十分まかなえていた(残高がプラスであった)のに対し、エクソン・モービルはまかなえていなかった(残高がマイナス)、つまり借金をして配当していた状況が見て取れます。
にもかかわらず今回の人員削減の実施。
投資家にとってはグッドニュース。
原油価格(WTIベース)は一時の底が見えない状況から現在は上昇基調に転じています。
しかし、各国で経済活動が再開され始めた途端再び感染者が増加する等、このまま順調に経済が回復し原油価格が一本調子で上昇するとはとても思えません。
ロイターの記事て今回の人員削減に関し、シェブロンは「現在の市場状況に対応するため。」とコメントしています。
ということで、今回の報道に「これぞ真に投資家の利益を考えている企業。」
と喜んだのは当方一人だけではないのでは?
(人員削減のみを好感しての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
よろしければ応援クリックお願いします。
にほんブログ村
正直者さんにいい風がふいている・・!
あめさん
ありがとうございます!
勇気づけられます!
人員これだけ削減すると、マイナス面もあるはず。
まあるいにかくさん
コメントありがとうございます。
確かにマイナス面はありますよね。
ただ会社として総合的に判断した結果としての削減数なのだと思っています。