配当

スリーエムから配当を受領 この銘柄の株価が下落を続ける理由

6月13日に化学・電気素材大手のスリーエム(MMM)からの配当を受領しました。

この銘柄の増配タイミングは前回3月支払い時、ということで今回も前回同様1株当たり1.50ドルとなっています。

直近の業績ですが4月25日発表の2023年第1四半期決算は前年同期比で減収減益。特に利益の方は1株利益、そして特殊要因を除いた調整後1株利益ともに2割を超える減益に終わっています。

一方アナリスト予想(FactSet consensus)との比較では、以下のとおり売上、利益ともに予想を大きく上回っています。

また今期2023年通期予想ですが、調整後1株利益(NONーGAAPベース)で8.50ドル~9.00ドルと前回予想を据え置いています。

そのスリーエムの株価ですが、今年に入ってから6月9日時点で約17.0%下落し、ダウ平均の中で最も悪い成績となっています。

もちろんその理由の一つはヘルスケア事業のスピンオフが業績に与える影響、そして上記の予想を含む業績にあるわけですが、もう一つが訴訟。

現在製造する耳栓が23万人以上の退役軍人の難聴や耳鳴り等の聴覚障害を引き起こしたとする訴訟の渦中にあり、スリーエム側は製造していた子会社アエロ・テクノロジーズの破産を通じてこの訴訟を解決しようとしているわけですが、6月9日インディアナ州の破産裁判所が破産申請を却下したことを公表しました。

この判決に対してスリーエム側は控訴する意思を表明していますが、数十億ドルに上る可能性のある賠償額が株価に影響を与えていることは明らか。

さらにもう1件がPFASに関する訴訟。

<補足説明>

PFASとは、パーフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の略。いわゆる有機フッ素化合物のことであり繊維品・台所器具・電子機器・車部品の表面コーティング等に使用されている。

PFASは発がん性や免疫力の低下など人体に及ぼす悪影響の可能性があるとして、米国環境保護庁(EPA)は2021年10月にPFASに関して規制を強化する方針を発表している。

スリーエムはすでに2025年の終わりまでにPFASの製造終了を計画しているわけですが、6月2日にブルームバーグが報じたところによると、スリーエムは、PFASに関連した水質汚染の訴訟を解決するため、米国のいくつかの市や町と少なくとも100億ドル相当の暫定的な和解に達したとのこと。

この報道についてスリーエムはコメントしていませんが、こちらの事案も金額的に相当な影響を及ぼす可能性があります。

ということで、この銘柄については業績とともに訴訟の進展をモニターしつつ保有継続の判断を下したいと考えています。

(連続増配年数のみを妄信しての購入にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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