研究開発型バイオ医薬品企業のアッヴィ(ABBV)が現地時間の10月27日に第3四半期決算を発表しました。
すでにこの銘柄は10月4日リリースのForm8Kにおいて7月27日に公表した見通しに対し、取得した仕掛開発費およびマイルストーン費用が0.04ドル発生する見込みであることから調整後1株利益を10.86~11.06ドルドルとする旨の発表があったわけで、ある程度の安心感というか覚悟を持って早速内容を確認。
概要は以下のとおり。
まず売上ですが、全体では前年同期比で6.0%の減収。
続いて主力製品であるヒュミラの売上を確認。
海外販売に加えメインの米国(国内)においても今期から特許切れによる後発薬の販売が開始されており、第1、2四半期以上に大幅な減収(-36.2%)となっている状況が見て取れます。
続いてヒュミラの売上減少を補う製品として会社が期待を寄せているスキリージとリンヴォックの状況は以下のとおり。
スキリージとは
乾癬(かんせん-免疫の異常によって皮膚や関節に特徴的な発疹などが起こる病気)の症状を改善する薬
リンヴォックとは
中等度から重度の関節リウマチ患者へのリウマチ薬
こちらはスキリージが前年同期比で52.1%増、またリンヴォックが59.8%増とこれまで同様好調を維持。
次に利益の方ですが、会計基準ベースの1株利益は前年同期の2.21ドルに対し1.00ドルとほぼ半減していますがこれは今四半期に21億ドルの減損損失を売上原価に計上したことが影響しています。
そして減損損失を含む特殊要因を除いた調整後1株利益(NON-GAAPベース)は前年同期の3.66ドルに対して2.95ドルと19.4%の減益となっています。
但しアナリスト予想との比較では、以下のとおり売上、利益ともに予想を上回る結果となっています。
最後に注目の2023年通期予想(調整後1株利益)ですが、以下のとおり10月4日公表の調整後1株利益10.86ドル~11.06ドルから上方修正し、11.19ドル~11.23ドルとしています。
以上主力製品ヒュミラの米国での特許切れによる売上減は想定内。
そしてスキリージとリンヴォックは好調を維持している。
さらに通期見通しを上方修正した。(まあ見通しには第4四半期の仕掛研究開発費およびマイルストン費用は含まれていないのですが。)
尚、発表当日の株価は、美容医療の売上が減少、予想に届かなかったこと、そしてヒュミラの売上が引き続き急落していることから4.3%の下落となりましたが気にしていません。
ということで、売上×〇 利益×〇 通期予想〇 で保有継続
とします。
(「2023年の壁」問題に突入して業績を落としている銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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