決算発表

ブロードコムの2024年第1四半期決算 売上〇、利益〇、予想〇=ホールド

半導体大手のブロードコム(AVGO)が現地時間の3月7日に2024年第1四半期決算を発表しました。(ブロードコムの決算期は10月です。)

今回が仮想化技術やクラウド技術などを手掛けるVMware(ヴイエムウェア)を買収してから初めての決算ということで注目の決算となります。

概要は以下のとおり。

売上は全体で前年同期比34%増、これをセグメント別に見ると以下のとおりセミコンダクター ソリューション(半導体)セグメントの4%増に対し、買収によりインフラストラクチャー ソフトウエアセグメントが約2.5倍の153%の増収と大きく伸びている状況が見て取れます。

またVMware(ヴイエムウェア)を除いた売上が前年同期比11%増となった点、AI関連売上が23億ドルと4倍増加した点にも注目しています。

そして会計基準ベースの1株利益(潜在株式調整後)は前年同期の8.80ドルに対して2.84ドルと大きく減少していますが、これは買収関連の無形資産の償却費、株式報酬費用、リストラ費用等の特殊要因のため。

特殊要因を除外した調整後1株利益は前回の第4四半期同様6%増となっています。

ちなみにアナリスト予想(FactSet consensus)との比較は以下のとおりとなっており、売上、調整後1株利益ともに予想を上回っています。

また注目のキャッシュフロー関係では、買収により営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローはともに前年同期比で19%増、そして調整後EBITDAは26%増と大きく伸びています。

EBITDAとは

EBITDAとはEarnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの略で、税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益を指します。

国によって金利水準、税率、減価償却方法などが違うため、国際的企業の収益力は一概に比較することはできません。

その点、EBITDAはその違いを最小限に抑えて利益の額を表すことを目的としていますから、国際的な企業、あるいは設備投資が多く減価償却負担の高い企業などの収益力を比較・分析する際にしばしば用いられます。

(SMBC日興証券)

最後に注目の今期予想ですが以下のとおり通期売上はVMware(ヴイエムウェア)の買収が寄与し前期比40%増の約500億ドル。

そして調整後EBITDAは予想売上高の約60%の300億ドルとし、前回第4四半期決算発表時リリースした数字を維持しています。

以上、セミコンダクター ソリューション(半導体)売上が市場予想をやや下回ったことは懸念点ではありますが、今期のAIの売上目標を約 75 億ドルから 100 億ドル以上に引き上げたことを含め、VMware(ヴイエムウェア)の買収後の初めての決算はまずまずの結果となりホッとしているところです。

ということで、売上〇、利益〇、予想〇=ホールドです。

(有利子負債残高が年間売上を上回っている銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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