ヘルスケア大手のファイザー(PFE)が現地時間の7月28日に第2四半期決算を発表しました。
まずこちらがGAAP、いわゆる会計基準ベースでの概要となります。
売上は前年同期比で11%の減収。
しかしこの銘柄の場合全体ではなく事業別の数字を確認する必要があります。
以下のとおり特許が有効な処方薬を中心とするバイオファーマ事業は抗がん剤「イブランス」や抗血栓薬「エリキュース」が好調で前年同期比で4%増と増収を確保。
一方スピンオフされマイランと統合される特許切れや後発薬を中心としたアップジョン事業は32%の大幅な減収となっています。
これはある意味想定内。
なぜなら今後ファイザーは新薬開発(バイオファーマ)事業に経営資源を集中し、安定を捨てより高いリスクを取ることで成長を追うことを発表しており、その方針に沿った結果となっているから。
次に利益ですが、リストラ費用等の特殊要因を除いたNON-GAAPベースで確認することに。
こちらは調整後1株利益で0.78ドルと前年同期比では2%の減益。
しかし市場予想のFactSetコンセンサスの0.68ドル、S&P Capital IQコンセンサスの0.66ドルを上回っています。
また通期予想は以下のとおり前回予想を引き上げています。
さらに話題の新型コロナワクチンの開発ですが、すでに報道のとおり現在ファイザーはバイオ医薬ベンチャーの独ビオンテックと共同開発を行っており、最も有望なワクチン候補の大規模な後期臨床試験を開始。
米政府にワクチン1億本を供給する契約を結んでおり、5億本を追加供給する可能性もあります。
ということで、今後のワクチン開発の成否はもちろん注目ですが、この銘柄の場合何よりバイオファーマ事業の状況がどうか、に注目しています。
その意味では実績、今回引き上げを発表した通期予想に問題なし、もちろんホールドです。
(ワクチン開発競争の渦中にある銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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こんにちは。
ファイザー(PFE)とバイオンテック(BNTX)は世界120サイトでワクチンの第三層試験(phase3)というIRもありましたね。
> Phase 2/3 study of up to 30,000 participants aged 18 – 85 years started in the U.S. and expected to include approximately 120 sites globally
(https://investors.pfizer.com/investor-news/press-release-details/2020/Pfizer-and-BioNTech-Choose-Lead-mRNA-Vaccine-Candidate-Against-COVID-19-and-Commence-Pivotal-Phase-23-Global-Study/default.aspx より)
でもよくよく見ると、NIH(National Institutes of Health)の文字がどこにもないので完全に持ち出しでワクチン開発をしているみたいですね。
ファイザーはここ最近決算がずっこけてばかりだったので久々に良い意味で震える決算でした。
ひろーさん
ロイター等によれば、
・米国政府は7月22日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンについて、1億回分のワクチンを約20億ドルで調達する契約を結んだ。
・米政府は交渉次第でさらに最大5億回分を確保できる契約内容だという。
・ファイザーはワクチン開発に最大10億ドルの費用がかかるとしている。
らしいです。