私の投資履歴書

私の投資履歴書 付録3 配当増加を加速させたもの-その2

数々の試練に見舞われながらも米国株への投資に舵を切ってから順調に配当収入を伸ばして来た当方ですが、決してその伸びは毎年一定だったわけではありません。

例えば2018年には大きくその額を伸ばしているのです。

その最大の理由が自社株の売却。

現在上場企業のうち約9割の会社に持株会制度があるということで、皆さんの中でも持株会に加入している方も多いのではないでしょうか。

かくいう当方もかれこれ30年以上加入を続けています。

会社の立場から言えば、持株会設立の目的はもちろん安定株主の確保。

そして安定株主と言えばもちろん、物言わぬ株主、つまり会社としてはできるだけ物言う株主を減らしたいのが当たり前。

理想を言えば物言わぬ株主のみとなって欲しいわけです。

その物言わぬ株主の代表と言えばもちろん従業員。

会社としてはできるだけ多くの従業員に持株会に入会していもらいたい。

ということで、以前であれば会社が無理やり加入を強いることが出来た。

しかし現在ではコンプライアンス、パワハラ等の観点から無理強いすることが(少なくとも表向きは)非常に難しくなって来ている。

そこで登場するのが奨励金制度。というわけです。

つまり従業員が投資するお金に上乗せする形で会社がお金を出してくれる、という制度。

ある調査によれば現在の平均奨励金割合(%)は約8%程度とのこと。

これ、例えば従業員が毎月1000円を自社株取得のために投資(拠出)した場合、80円の奨励金が上乗せされるということになり、株価がフラットで推移した場合自動的に8%の利息が付くのと同じことになります。

(さらに配当は自動的に再投資されるわけですから、それ以上の利回りを得ることが可能となるのです。)

ということで、長らく持株会での投資を続けて来た当方ですが、株式投資、それもインカムゲイン投資の経験が長くなるにつれある欲望を抑えきれなくなって来た。

それが、「自社株を売りたい。」という欲望。

その理由が配当利回り。

そう、配当利回りを重視する米国株インカムゲイン投資家の場合、利回り5%が当たり前。

そんな状況にあると否が応でも自然に自社株の利回りの低さが目につく。

しかも毎月の投資額は微々たるものとは言え、30年以上投資を続けた結果かなりの資産額になっていた。(これぞ長期投資の威力)

なのにその配当額と言えば、米国株の足元にも及ばない。

インカムゲイン投資家にはこれが我慢できない、ほっておけない、許せない!
そう、まさにこれ完全な投資家目線。

ただいくら昔より売却しやすくなったとは言え、そこは田舎の企業、自社株保有はいまだ忠誠心の尺度であることに変わりなし。

「仮に売却した場合、いったいどんな運命が待ち受けているのか?」

ということで悩みに悩んだ末、ついにその売却に踏み切ったのが2018年の2月。

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そしてその売却資金の全額を配当利回りが5%を大きく超えていたAT&T(T)の購入に充てた。

それが2018年の配当収入増加の一番の立役者、というわけです。

もしあなたが自社株を保有しており、配当利回りが低く、かつ今後もその上昇が見込めないのであれば売却の検討を考えられてはいかがでしょうか。

但しくれぐれも申し上げておきますが、売却により本業での自身の身に悪影響が及ぶようであれば絶対に思いとどまること!

これを忘れてはいけません!

特にまだまだ将来があり、かつ出世を望んでおり売却によって出世に影響するようであればなおさら。

「自社株売却はその効果はてきめんであるが劇薬でもある。」

そのことをくれぐれもお忘れなく!

(自社株の売却にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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POSTED COMMENT

  1. より:

    自社株の売却後の株価と、買い増しあとのTと比較して、自社株売却は正解でしたか?

    • naobito より:

      丸さん
      現時点では大正解です。(笑)
      もちろん将来はわかりません。
      ただインカムゲイン投資家として株価はあまり気にしていませんし、自社の株主還元政策を考えれば将来も売却を後悔することはないでしょう。

  2. ロイ より:

    インサイダー疑われて、即売却できませんでした。
    苦い思い出です。

    • naobito より:

      ロイさん
      自社株は会社への事前・事後報告はもとより、売買期間が厳密に決められていますからねー。

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