10月19日にたばこ銘柄のフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)から配当金を受領しました。
この銘柄の増配タイミングは今回10月支払い時、ということで前回の1株当たり1.20ドルから1.25ドルへと4.2%の増配となっています。
この銘柄を保有している方ならご存じのとおり、フィリップモリスの場合は、米国銘柄ではあるものの、”80/20 company”に該当するために配当金の大部分について外国税の源泉を免除されている銘柄となっています。
具体的には、80/20 company”というのは、ある特定の期間において総収入の80%(以上)が米国外の事業活動から発生している企業のことであり、フィリップモリスはその収入のほとんどを米国外の活動から得ており、”80/20 company”に該当しています。
その結果、配当の大部分が源泉税を免除されるのです。
具体的には2021年の場合、国外の事業活動の割合が95%であり、課税される部分は全体の5%にしか過ぎません。
つまり配当総額に対する税率は、5%×源泉税率の10%=たった0.5%ということになります。
(ちなみに2020年は5%ではなく3%でした。毎年この数字が変わることは頭に入れておく必要があります。)
ということで、改めて書きますがフィリップ・モリスはNISAにうってつけの銘柄。
ご存じのとおりNISA取引の最大のメリットが配当金(や売却益)が非課税になること。
つまり所得税と住民税を合わせた20.315%がかからない。
但し非課税になるのはあくまで日本国内で課税される部分のみ。
米国株の場合、通常アメリカ(側)で10%の外国税が課税されるわけですが、この分は非課税にはならないのです。
しかしフィリップ・モリスの場合は上記のとおりこの外国税額の税率がたった0.5%で済む。
これが非常に大きい。
って書くと、
「いやいや、米国株投資には確定申告での必須作業である外国税額控除という強い味方があるはず。これを使えば実質一緒では?」
という疑問を持つ方がおられるかも。
残念ながら外国税額控除の申請ができるのは一般取引の場合であり、NISAではこれができないのです。
外国税額控除とは、二重課税に関しては租税条約によって外国で課税された税金の還付(但し上限あり)を認める、というもの。
つまりアメリカ側と日本側で税金がダブルでかかっている場合に申請が可能。
しかしNISAでは日本側での税金がゼロ。
つまり二重課税状態にはなっていない。
要はいいとこ取りはできないということ。
これがフィリップ・モリスであれば10%がわずか0.5%で済む。
ということで、岸田新総理は在任中の金融所得税の見直し(増税)を目論んでいるようですが、
増税をもろともしない銘柄。
それがフィリップ・モリス・インターナショナルなのです。
(外国税率の低さのみを着目しての投資の実施にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)