現地時間の8月19日、ジョンソン エンド ジョンソン(JNJ)が自己免疫疾患の治療薬を手掛けるモメンタ・ファーマシューティカルズ(MNTA)を、現金約65億ドル(約6850億円)で買収することで合意した、とブルームバーグが報じました。
医薬品業界では今年これまでで最大の買収案件となるとのことで年末までの買収完了を目指しています。
尚、買収はすべて現金、ということでこのあたりはさすがは天下のジョンソン エンド ジョンソンと言ったところ。
ただ買収されるモメンタ・ファーマシューティカルズ、と言われても我々にはピンと来ません。
ということで早速調べてみることに。
企業概要
モメンタ・ファーマシューティカルズは複合分子の特性化・プロセス工学事業を行う米国バイオテクノロジー企業。
製品はエノキサパリンナトリウム注射剤はジェネテック版のロベノックス薬、酢酸塩ガラティラメル注射M356はジェネテック版のCopaxone、M923は自己免疫・炎症疾患のためのブランド生物製剤バイオシミラーがある。
(YAHOOファイナンス)
まず直近5年間の売上の推移は以下のとおり。
あれれ、なんと2017年を頂点に現在激減中。
しかもその売上規模は直近2019年でたった25億円程度。(グラフの目盛りが通常の百万ドルではなく”千ドル”であるところにご注目下さい。)
そして1株利益は常にマイナス。
さらに営業キャッシュフローも絶賛赤字拡大中。
こんな企業に6850億円もの大枚をはたいてジョンソン エンド ジョンソンは一体何を考えているのか?
報道によればモメンタは難治性自己免疫疾患の治療薬の研究を行っている企業。
ジョンソン エンド ジョンソンは世界人口の約2.5%が何らかの自己免疫疾患を患っていると推計。
ジョンソン エンド ジョンソンも関節リュウマチや乾癬などの自己免疫疾患治療薬の開発・販売を行っていますが、最近は他メーカーとの競争により成長が落ちている状況。
一方モメンタは重症筋無力症などの自己免疫疾患の治療薬として「ニポカリマブ」を開発しており、今回の買収によって同薬の承認、販売を目指す等、治療薬の開発にはずみをつけたい意図があるようです。
要はあくまで中長期の成長のためにモメンタの研究・開発力に目をつけ、その可能性に賭けた、ということなのでしょう。
ということで、ホルダーとしては目先の数字にとらわれることなく、今回の買収を長い目で見守って行きたいと考えています。
(大型買収発表企業への期待感満載投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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