ウォールストリート・ジャーナルが8月18日に、処方鎮痛剤に含まれる医療用麻薬「オピオイド」中毒に関するいわゆるオピオイド訴訟で州司法長官のグループがジョンソン エンド ジョンソンに対して52.8億ドルを要求した、と報じました。
オピオイド訴訟に関しては昨年の8月26日、オクラホマ州地方裁判所がジョンソン エンド ジョンソンに対し5億7200万ドルの制裁金を支払うよう命じる判決が出されていました。
その後ジョンソン エンド ジョンソンは、オピオイド系鎮痛剤の販売を巡る全ての訴訟を決着させるため40億ドルを支払うことを提案したわけですが、今回の要求額はこの額を上回るものとなっています。
しかし今回の司法長官グループの要求によって、この訴訟が終結に向かう可能性が高くなったのではないでしょうか。
その理由ですが、ジョンソン エンド ジョンソンが提案した40億ドルと司法長官グループ要求の52.8億ドルとの間の開きが小さいから。
「いやいや、10億ドル以上も差があるではないか!」と思われるかもしれませんが、そもそもジョンソン エンド ジョンソンの提示額はかなり低めに設定されているはずで、その額で決着するなどとは到底思っていないはず。
あくまで想像ですが、52億ドルなら十分許容範囲と考えているのでは、と思っています。
それ以上に今回の要求額自体が和解を誘導しているというかほのめかしている金額であると考えられなくもありません。
実は今回の協議は両者の金額の開きが大きく、決着に至るのは難しいのでは?という意見もありました。
それが司法長官グループ側が52.8億ドルという現実的な金額を提示してきた。
仮に40億ドルが不満というか問題外であれば、例えばその倍の金額を要求することだってできたわけですから。
そして52.8億ドルで決着したとしても、ジョンソン エンド ジョンソンにとってはそれ程痛手にはならない。
それは以下を見れば明らか。
こちらは営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフロー、そして配当支払後の残高の推移となりますが、要は”十分余力あり”というわけです。
ということで、今回の要求によってオピオイド訴訟の早期決着を望む中年投資家なのでした。
(巨額訴訟を抱える銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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