たばこ銘柄のアルトリア(MO)が現地時間の10月27日に第3四半期決算を発表しました。
前回の2022年第2四半期決算では、売上はアナリスト予想を若干下回ったものの、調整後1株利益は若干予想を上回ったこの銘柄ですが果たして今決算は?
と言う事で早速確認。
概要は以下のとおり。
まず売上ですが、前年同期比で3.5%の減収。
但し、撤退したワイン事業等の影響を除くと実質的には0.7%の減収とほぼ横ばい。
これをたばこ製品別で見ると、以下のとおり無煙(Oral)たばこは数量ベース(1.3%増)、金額ベース(7%増)ともに増加したものの、メイン事業の紙巻きたばこが数量ベースで前年同期比9%減、値上げでカバーしきれず金額ベースでは1.6%の減収となっている状況が見て取れます。
次に1株利益ですが、会計基準ベースでは前年同期の赤字から0.12ドルの黒字となっていますが、前年同期の赤字は投資先のビール大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)の業績が悪化していることから60億ドルもの減損処理を行ったためであり、特殊要因を除いた調整後1株利益では1.28ドルと前年同期比で4.9%の増益となっています。
そしてアナリスト予想との比較ですが残念ながら以下のとおり売上、調整後1株利益ともに予想を下回る結果となりました。
最後に注目の今期2022年通期予想ですが、調整後1株利益で4.81ドルから4.89ドルとレンジを狭め下限値を引き上げた一方上限値を引き下げており、2021年の4.61ドルの実績に対して+4.5%から+6%の増益としています。
以上、アナリスト予想を下回ったことは残念ですが、通期予想の数字はまずまずでありホッとしています。
アルトリアと言えば、調整後1株利益の80%を配当に回すことを公言しているわけですが、第3四半期までで2,990万株の自社株買いを実施、そして今後2022年12月までに3.75億ドルの自社株買いを予定しており来年の増配に向け着々と手を打っています。
そして今回決算数値以上に注目のニュースがリリースされました。
それが、JT(日本たばこ産業)との米国内外での加熱式たばこデバイスの開発・販売で戦略的パートナーシップ、つまり提携を発表したこと。
具体的にはそれぞれの連結子会社を通じて合弁会社を設立し、アルトリア子会社が1.5億ドルを初期出資し、JT側は加熱式たばこの機器を現物出資、収益分配の比率はJT側が25%、アルトリア側が75%とするとのこと。
すでにお伝えしたとおりアルトリアとフィリップモリスは2024年4月30日をもって 米国における加熱式たばこIQOS(アイコス)システムの販売契約を終了することに合意したわけですが、これにより将来の成長が期待される加熱式たばこが販売できないという状況に直面することになった。
アルトリアは2022年末までに、加熱式タバコを含む2つの無煙たばこ製品の設計を最終化する予定ではあるものの、実際に販売にこぎつけられる保証はない。
ということで暗雲が垂れ込めていたわけですが、やはりそこは転んでもただでは起きないというかしたたかなアルトリア。
まさかフィリップモリスとライバル関係にあるJTと提携するとは思いませんでした。
2025年度上半期をめどにJTのブランド「プルーム」で販売前申請を米食品医薬品局(FDA)に提出する予定とのことで、販売はまだまだ先の話ではありますが、確実に希望の光が見えたことは確か。
これで米国内でフィリップモリスとは完全に競合することになります。
以上、決算の方は売上×、利益〇×、予想△ですが、将来へ期待がつながったこともあり迷わずホールドとします。
(たとえ新型コロナが終焉しても健康被害からは逃れられない銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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アルトリアはJTを通じて世界に販売網を広げるテストを行うとありました。PMはアメリカ進出アルトリアは世界進出ですね。
通りすがりさん
いずれにしてもライバルになってしまいましたね~。