IBMが現地時間の4月12日に、ITインフラの構築・運用を担う「グローバル・テクノロジー・サービス事業」を分社化して設立する新会社の社名を公表しました。
その名は「Kyndryl」(キンドリル)。
我々日本人にはその綴りといい、読み方といい、イマイチインパクトに欠けるような印象ですが、現地の方にはどうなんでしょう。
キンドリルの最高経営責任者(CEO)であるマーティン・シュローター氏によれば、その語源は新会社のアイデンティティーとミッションの中心となる 2 つの言葉を組み合わせたものとのこと 。
まず「Kyn」は「kinship キンシップ」から派生した言葉で、社員、お客様、パートナーといった人々との関係が戦略の中心にあり、長期にわたる関係を構築して育む姿勢を表しており、「dryl」の方は「tendril テンドリル」から派生し、新しい成長と、お客様やパートナーと共に、常に人類の進歩に向けて取り組んでいるという考えを表したものとのこと。
分社は今年の年末までには完了の予定。
分社後はキンドリルがITインフラの運用や構築を狙い、クライアント向けのデータセンターとクラウドインフラの管理に注力。
一方新IBMの方はクラウドと人工知能(AI)等の市場に注力することになるわけです。
分社化の詳細はいまだ公表されていませんが、今回のリリースによってキンドリルとして新たな歩みを始めるこちらの会社には正直当方あまり魅力を感じない。
その理由がこちら。
こちらは2020年のIBMのセグメント別売上と税前利益となりますが、今回分離される部門はグローバル・テクノロジー・サービス部門(黄色)の一部であるマネージド・インフラストラクチャー・サービス部門ということになります。
一部が新会社に移行するものの、現状税前利益のマージンはわずか0.4%と非常に低い。
しかも前年2019年の5.8%から大幅に悪化している。
一方新IBMのマージンの方は、マージンの低いビジネスが無くなることで、そのマージンは上昇する。
尚、配当に関しては以前以下のとおりリリースしている。
分離後、両社は当初IBMの1株当たりの分離前配当を下回らない四半期配当を合計して支払う予定です。
分離が完了した後は、各社の配当方針はそれぞれの取締役会によって決定されます。
ということで、分社化完了後、キンドリルの売却を視野に入れ始めた中年投資家なのでした。
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