以前から保有銘柄を中心に売上等直近の業績の紹介をして来ましたが、2021年度決算も終了していますので、自身の備忘録の意味も含め2021年版としてアップデートすることにしました。
今回はコンピュータ関連企業、IT銘柄のインターナショナル ビジネス マシーンズ(IBM)を取り上げたいと思います。
【会社概要】
IBM(インターナショナル・ビジネス・マシンズ)は米国のIT大手企業。
主にコンピュータ関連製品とITコンサルティング事業を展開する。
事業はグローバル・テクノロジー・サービス、グローバル・ビジネス・サービス、ソフトウエア、システム、金融で構成される。
また、IT業務の外部委託やソリューションの提供、システム・サーバーの販売などを手掛ける。
1911年、コンピューティング・タビュレーティング・レコーディング・カンパニー (C-T-R : the Computing-Tabulating-Recording Company) として設立。
IBMへの社名変更は1924年。
(出典元:YAHOOファイナンス他)
まず5年間の売上の推移は以下のとおりとなっていますが、2020年に大きく売り上げを落としています。
その理由ですが、2021年11月3日にグローバル・テクノロジー・サービス事業の一部(というか大部分)をスピンオフしたから。
そして業績開示上、2021年との比較情報として前年度の2020年もさもスピンオフしたかのように決算数値を修正しているから。
だから2020年以降のIBMはそれまでとは違う会社として見る必要がある。
その2020年と2021年のセグメント別売上は以下のとおり。
売上は会社がメインに据えるグロスマージンの高いソフトウェアとコンサルティングは伸びているものの、その他のセグメントが軒並み足を引っ張っている状況となっています。
続いては1株利益(潜在株式調整後)。
御覧のとおり特殊要因の影響もありでこぼこ状態。
但し会社の収益力を知る上でより重要なのは真の稼ぐ力を表す営業キャッシュフロー、そしてそのマージンの推移。
(尚、2020年は売上が修正されていますので、元々の(正しい)売上を使用し、マージンを計算しています。)
直近2021年は前年よりマージンを落としたものの、20%を超える状況となっています。
そして有利子負債残高と財務の安定性を示す有利負債営業キャッシュフロー倍率。
有利子負債営業キャッシュフロー倍率とは、簡単に言えば今ある借金を毎年の稼ぐ力で何年で返済できるか?という数字(年数)であり、数字が少なければ少ないほど返済能力が高い、つまり財務的に安定しているということになります。
<計算式>
有利子負債営業キャッシュフロー倍率=有利子負債÷営業キャッシュフロー
こちらの方は2019年のクラウド技術サービスを提供するレッドハットの巨額買収によって借入残高が増加、有利子負債営業キャッシュフロー倍率が4倍と高止まりしています。
最後にインカムゲイン投資家注目の増配率。
御覧のとおりIT銘柄にあるまじき売上の伸び悩み等によって増配こそ続けているものの、残念ながら増配率は低下の一途をたどっている状況が見て取れます。
尚、参考までに過去1年間の株価の推移(青色)を市場平均(ダウ平均:赤色)と比較したチャートは以下のとおりとなっており、ダウ平均とほぼ拮抗しています。
以上見てきましたが、売上、株価等の推移を見ればIT銘柄失格、とてもじゃないが投資対象にはできない、と言わざるを得ない。
しかし、冒頭で触れたとおりこの銘柄はスピンオフによりクラウドとAI事業に傾注した新たな会社に生まれ変わっている。
また、利益創出に直結しないとは言え、米国における特許取得数で29年連続、それもぶっちぎりで首位となっている。
そして何より、
この銘柄はIT銘柄とは名ばかりで、26年連続増配が示すとおり実のところは配当貴族銘柄、つまりインカムゲイン銘柄である。
等を考慮した場合、
「いつかやってくれるのでは? 大化けしてくれるのでは?」
というこれまでどおりの淡い期待を胸に保有を継続している自分がいることは確かです。
但しこれまでどおりオオカミ少年、あるいは蕎麦屋の出前(「あっ、売上と利益でしたらすぐに増えますから。」的な?)で終わる可能性は否定できません、、、
(本データを妄信しての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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