以前から保有銘柄を中心に売上等直近の業績の紹介をして来ましたが、2021年度決算も終了していますので、自身の備忘録の意味も含め2021年版としてアップデートすることにしました。
今回は飲料大手のコカ・コーラ(KO)を取り上げたいと思います。
【企業概要】
コカ・コーラはノン・アルコール飲料の世界最大メーカー。
ノン・アルコール飲料用濃縮液とシロップの製造と販売に従事する。
同社ブランドは500種以上の炭酸飲料、ダイエット炭酸飲料、果汁飲料、紅茶、コーヒー、水、スポーツ飲料、エネルギー飲料と多岐にわたる。
主要品名は「コカ・コーラ」、「ダイエット・コーク」、「パワーエイド」、「ダサニ」、「ミニッツ・メイド」など。
(出典元:YAHOOファイナンス)
まず直近5年間の売上の推移は以下のとおりなっており、北米地域での再フランチャイズ化や直近2020年は新型コロナ流行による影響によって減収となりましたが、直近2021年はロックダウン解除等による市場回復により二ケタ増収となりました。
また過去2年間のセグメント別売上割合と営業利益率は以下のとおり。
これを見るとおひざ元の北米事業(黄色)は売上こそ全体の33%と多いものの、ラテンアメリカ等他地域に比べ利益率が20%台と非常に低く競争が厳しい状況となっていることが見て取れます。
続いては1株利益(潜在株式調整後)。
御覧のとおり特殊要因の影響もありでこぼこ状態。
但し会社の収益力を知る上でより重要なのは真の稼ぐ力を表す営業キャッシュフロー、そしてそのマージンの推移。
御覧のとおり営業キャッシュフローマージンは2017年以降きれいに右肩上がり、さらに直近2019年以降は米国での減税の影響もありマージンは30%前後に達しています。
そして有利子負債残高と財務の安定性を示す有利負債営業キャッシュフロー倍率は以下のとおり。
有利子負債営業キャッシュフロー倍率とは、簡単に言えば今ある借金を毎年の稼ぐ力で何年で返済できるか?という数字(年数)であり、数字が少なければ少ないほど返済能力が高い、つまり財務的に安定しているということになります。
<計算式>
有利子負債営業キャッシュフロー倍率=有利子負債÷営業キャッシュフロー
有利子負債営業キャッシュフロー倍率は2018年までは5倍を超えていましたが、営業キャッシュフローの増加によって2019年以降は低下(改善)している状況が見て取れます。
最後にインカムゲイン投資家注目の増配率。
コカ・コーラと言えば代表的な配当貴族銘柄。
その連続増配年数が60年にも達しているのは見事。
増配率の方は低下の一途を辿っていましたが、2月17日に配当のお知らせをリリース、今期2022年の増配率は4.2%と反転の兆しが。
尚、参考までに過去1年間の株価の推移(青色)を市場平均(ダウ平均:赤色)と比較したチャートは以下のとおりとなっており、2022年に入りダウ平均を上回っています。
以上見てきましたが、2018年までの売上の減少は北米地域の下流過程である利益率の低いボトリング事業の再フランチャイズ化という会社方針によるものであり想定内。
ただ新型コロナ流行による影響によって2020年には予期せぬ停滞を強いられたわけですが、営業キャッシュフローマージンを見るまでもなくコロナ収束後は以前のような増配率を生み出す力は十分あると考えています。
(本データを妄信しての投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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