現地時間の3月16日、投資、経費の大幅な削減を計画していることを発表したエクソン・モービル(XOM)ですが、ついにその詳細を4月7日にリリースしました。
その概要(抜粋)は以下のとおり。
・2020年の設備投資は、330億ドルから230億ドルに削減する予定
・生産性の向上とコスト削減で営業費用(キャッシュベース)は15%削減
・事業計画の元になる長期的なファンダメンタルズは変わっていない。また、人口とエネルギーの需要は増加し、経済は回復する。資本配分の優先順位も変更していない。
・我々の目標は、価値を創出し、配当のための現金を維持し、バランスシートを適切かつ慎重に使用するために、業界で優位性のあるプロジェクトへの投資を継続することである。
まず設備投資額の100億ドルの削減額ですが、ライバルシェブロン(CVX)の削減率が20%だったのに対してエクソン・モービルは30%カットとより踏み込んだ削減となっています。
(計画自体がアグレッシブだった、という点はここでは置いておいて。)
以前の記事にも書きましたが、モルガンスタンレーのエネルギーアナリストは削減額を80億ドル、またコーウェン・グループのアナリストは70億ドルと予想しており、それを大きく上回る金額を公表したことになります。
その理由が、「我々の目標は、、、、、配当のための現金を維持し、」の部分だと思っています。
そう、配当の維持。
ここからは推測となりますが、2019年のキャッシュフローを見ると営業キャッシュフローは約300億ドル。
そして配当の支払額が約150億ドル。
仮に今期の営業キャッシュフローが半減したとすると、配当とほぼ同額となり、設備投資の230億ドルはまるまる借入金でまかなう必要がある、ということになります。
しかし現在のエクソン・モービルの健全な財務状況からしてそれは可能だと考えています。
そしてそれを裏付けるかのように、CEOのダレン・ウッズ氏はCNBCとのインタビューの中で、「配当の優先順位は高い。」と発言したことが伝わっています。
今月終わりにはいよいよ配当のお知らせをリリースするわけですが、現在まで37年の長きに渡り増配を続けて来たこの銘柄がどのような決断を下すのか、
大いに注目したいと思います。
(フリーキャッシュフローで配当をまかなえない銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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