銘柄研究

ジョンソン エンド ジョンソンが初期治験結果を公表 有効性は劣るも全く心配していない理由

ヘルスケア大手のジョンソン エンド ジョンソン(JNJ)が現地時間の1月13日、開発中の新型コロナワクチンについて、1回の接種で持続的な免疫反応が得られたとする初期段階の臨床試験結果を公表しました。

治験結果は、米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載されたもので18歳~55歳の805人を対象にワクチンを1回接種したところ、参加者の90%以上に、ワクチンの注射後29日以内に新型コロナ感染症を引き起こすウィルスに対する中和抗体が産生され、免疫反応が71日間持続したとのこと。

今回のデータによって1月中に公表される予定の最終治験結果についてワクチンが非常に有効である可能性が極めて高くなりました。

その有効性ですが、すでに緊急使用許可が下りているモデルナのワクチンは94.1%、そしてファイザーのワクチンは95%の有効性を示しており、おそらくジョンソン エンド ジョンソンの有効性はこれらワクチンに対して劣ることになります。

ただある専門家はその差は大きな問題にはならない、としています。

その理由は以前にも書きましたが、ジョンソン エンド ジョンソンのワクチンは接種が1回で済むこと。

1回の接種で十分な効果が得られる。

一方モデルナやファイザーのワクチンは2回の接種、しかも3~4週間の間隔をあけなければならない。

これが意外に煩わしい。

その結果実際の医療現場においては、2回の接種が必要なワクチンでも1回のみで止めてしまう人が多いという現状がある。

そしてジョンソン エンド ジョンソンのワクチンはファイザー等のワクチンとは異なり、超低温で保管する必要がなく普通の冷蔵庫と同じ2度から8度で保管して良い。(但しファイザーは現在超低温での保管が不要な粉末のワクチンを開発中。)

これにより保管や輸送に特殊な設備も必要ないため、実用化すればワクチン接種拡大の極めて強い追い風になる。

もちろんいいことずくめばかりではなく、当初は2月半ばにもFDA(米食品医薬品局)の緊急使用許可が下りる見通しとなっていましたが、つい最近使用許可が米国で下りるのは3月にずれ込む可能性があるとの報道がありましたが、これはそれほど大きな問題にはならないでしょう。

ジョンソン エンド ジョンソンは2021年中に10億回分の生産を目指す、としています。

ただ当初は採算度外視(原価での販売)での供給となる。

よって短期的には業績に与える影響は限定的。

しかし今回の治験結果と同様な結果を最終治験で示せれば、その開発力を大いに誇示できることになる。

そしてそれが他の数多(あまた)の製品への信頼につながる。

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これが極めて大きい。

ということで、今後も稼ぐ力のチェックを怠ることなく、この銘柄の保有を愚直に続けて行くつもりです。

(ライバルより有効性が多少落ちるワクチンを開発中の銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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