現地時間の12月23日、「アメリカ政府が約20億ドルを支払い、ファイザー製の新型コロナウイルスワクチン1億回分を追加で確保したと発表した。」とロイター等が伝えました。
新たな契約では少なくとも7000万回分を来年6月末までに、残りを7月末までに供給する予定となっており、これによって、米政府がファイザーから購入するワクチンは計2億回分で、総額約40億ドルに達するとのこと。(ワクチン1回分の価格は米国では19.50ドル)
新型コロナと言えば最近の話題は感染の再拡大もさることながら、英国で確認された感染力がより強力な新型コロナ変異種の登場。
これに対してファイザー(ビオンテック)は現在変異種に効果があるかどうか検証しているとしていますが、ワクチンには1270を超えるアミノ酸が含まれるとし、「ワクチンによる免疫反応が変異種にも対応できる公算が極めて大きい。また仮に変異種に現在のワクチンが効かなかったとしても、理論的には6週間で変異種に対応できるワクチンの開発は可能。」とコメントしています。
ファイザーと言えばすでにお伝えしたとおり、後発薬事業のアップジョン事業をスピンオフ、新薬開発ビジネスに集中する道を歩み始めています。
スピンオフによって新生ファイザーの売上、利益は当然減少するわけで、第3四半期決算発表では今期2020年の通期予想を以下のとおりリリースしています。
ただ今回のアメリカ政府との追加購入契約を含め、今後新型コロナワクチンの売上が業績に貢献してくれることは確か。
では具体的にどの程度の影響になるのか?
これに関してあるアナリストは次のように試算しています。
・ファイザーは現在、米国、英国、EU、日本、カナダ、香港の政府機関から5億回以上のワクチン接種の契約を結んでいる。
・この分だけで売上としては約100億ドル。
・ファイザーは、2021年に10億回以上の投与が可能になると述べており、その数を販売する可能性は高い。
・これは、最大200億ドルの売上収益をもたらす。
200億ドルとなれば今年の予想売上の約半分。
つまり来年2021年の売上はこの分だけでなんと今年の1.5倍にまで増加する。
これは期待大!
ファイザーは買いだ~!
というわけには残念ながらならない。
なぜなら利益となると話は別だから。
アナリスト予想は以下のとおり。
・ファイザーの新型コロナワクチン売上は来年の利益を押し上げ、1株利益は2.86ドルになる。
そう、アナリスト予想を信じれば今期予想の1株利益2.28ドル~2.38ドルに対しては(上限値で)約20%の増益。
しかも現在の株価での予想PERは約13倍。
と決してバーゲン価格とまでは言えない。
ということで、この銘柄への投資にあたっては新型コロナワクチンのみで判断するのはいかがなものか?と考えているところです。
(コロナワクチンで先頭を行く銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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