7月8日付記事、「【速報】フィリップモリスのアイコス(IQOS)がついにFDAからお墨付き! でアルトリアに射した光明」にてフィリップ・モリス(PM)の加熱式たばこアイコス(IQOS)が米食品医薬品局(FDA)から”改良されたリスクタバコ製品(MRTP)”として販売することを認められた。と書きました。
ここ最近話題性ということですっかり蚊帳の外だったたばこ銘柄ですが今後盛り上がりを見せるのでは?
という期待を胸に今回はたばこ銘柄比較を実施することに。
選んだのは、アルトリア(MO)とJT。
ご存じのとおりアルトリアは米国市場に特化、一方のJTはいまだ日本での販売割合は高いものの買収を重ね今やワールドワイドに展開する企業、という違いはあるわけですが今回は2015年から昨年2019年までの業績を単純比較することにしました。
まず売上の伸び(成長率)は以下のとおり。
やはり典型的な成熟産業ということで、ともに完全に頭打ち状態であることが見て取れます。
続いては稼ぐ力を表す営業キャッシュフローマージン。
ここ2年はアルトリアが30%を超えておりJTを大きく上回っている状況となっていますが、その理由としてはトランプ減税により米国の法人税率が35%から21%へと大幅に減税された影響が大きい(言わば他力本願)と言えます。
とは言え手元キャッシュが増加していることは間違いありません。
そして増配率。
やはりこちらもここ2年は2ケタ増配となっているアルトリアがJTを圧倒しています。
ということでここまで見てくるとやはりアルトリア強し、と言わざるを得ません。
但し、事(こと)はそう単純ではありません。
それを表すのがこちらのグラフ。
こちらは有利負債営業キャッシュフロー倍率のグラフとなります。
有利子負債営業キャッシュフロー倍率とは、簡単に言えば今ある借金を毎年の稼ぐ力で何年で返済できるか?という数字(年数)であり、数字が少なければ少ないほど返済能力が高い、つまり財務的に安定しているということになります。
<計算式>
有利子負債営業キャッシュフロー倍率=有利子負債÷営業キャッシュフロー
財務の安定性、強さを表すこちらの数字になると、買収とともに徐々にその数字が上昇しているとは言え、JTがアルトリアを圧倒している状況となっているのです。
さらに言えば、今後もアルトリアが高い増配率を継続できる保証は(特にバイデンが大統領に就任した場合=法人税増税を考えると)全くありません。
ということで、すんなりとどちらとは言えない、というのが正直なところですが、今回のアイコスのニュースがアルトリアにとって追い風となったことは確か。
今後は特に加熱式たばこに注目して決算を確認して行きたいと考えています。
以上、ご参考まで。
(本データに基づく投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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