7月13日付記事、「アルトリアとJT、より魅力的なのはどっち?」にてアルトリアとJTの2015年から昨年2019年までの業績を比較したわけですが、今回はアルトリアに代わりフィリップ・モリスとJTでの比較を行ってみたいと思います。
そのフィリップ・モリスですが、JTのおひざ元、日本を含む米国以外の地域で事業を行っている、ということはホルダーの方であればご存じでしょう。
まず売上の伸び(成長率)は以下のとおり。
やはり典型的な成熟産業ということでなかなか厳しい状況にあるわけですが、フィリップ・モリスの方はこのところ3年間はプラス成長しており健闘しています。
もちろんその理由が加熱式たばこのアイコス(IQOS)の販売好調にあることが大きいと言えます。
続いては稼ぐ力を表す営業キャッシュフローマージン。
こちらは2016年以降30%を超え、さらに年々その数字を伸ばしているフィリップ・モリスの圧勝。
そして増配率。
こちらはやや意外なことに2018年まではJTの圧勝でしたが、直近の2019年ではJTの急減によりフィリップ・モリスが逆転する形となっています。
最後に有利負債営業キャッシュフロー倍率。
有利子負債営業キャッシュフロー倍率とは、簡単に言えば今ある借金を毎年の稼ぐ力で何年で返済できるか?という数字(年数)であり、数字が少なければ少ないほど返済能力が高い、つまり財務的に安定しているということになります。
<計算式>
有利子負債営業キャッシュフロー倍率=有利子負債÷営業キャッシュフロー
財務の安定性、強さを表すこちらの数字になると、買収とともに徐々にその数字が上昇しているとは言え、JTがアルトリアを圧倒している状況となっています。
ということで、前回のアルトリアとJTの比較同様すんなりとどちらとは言えない、というのが正直なところであり、今後の優劣はやはり加熱式たばこが鍵を握っているのではないでしょうか。
何はともあれ今後は特に加熱式たばこの動向に注目して両社の決算を確認して行きたいと考えています。
以上、ご参考まで。
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