エネルギー大手のエクソン・モービル(XOM)が現地時間の4月4日にForm 8-Kを提出し、2023年第1四半期の利益見通しを開示しました。
Form 8-Kとは
Form 8-Kは、アメリカ合衆国において、株式公開企業(SEC登録企業)に提出が義務付けられている、SEC向け報告資料の開示様式(フォーム)のことをいいます。
現在、SEC登録企業では、会社支配権の変更、企業買収、行政処分、破産、取締役の退任、監査人の変更などの財政状態に影響を与えるイベント(特別な事象)が起こった場合に、このフォームを用いてSEC(米国証券取引委員会)に報告すると共に、迅速な対外発表が求められています。
(iFinanceより)
その内容は以下のとおり。
この表は上からセグメント別の2022年第4四半期の当期利益(NON-GAAPベース)、そして2023年第1四半期決算に影響を与える要因を市場要因と計画された要因や季節的要因等に分けて開示したものです。(単位は億ドル)
市場要因の内容としては、アップストリーム事業では原油価格、ガス価格、未決済デリバティブ(時価評価)の変動額、そしてエネルギー製品事業、化学製品事業、特殊製品事業ではマージン及び未決済デリバティブ(時価評価)の変動額となります。
また、計画された要因や季節的要因等に関する内容としては、修繕費の計画に対する変更、ガス需要の季節的変化、決算期の日数の影響(2022年第4四半期に対して日数が少ない)、期末在庫の影響等となります。
御覧のとおりエクソン・モービルの2022年第4四半期決算は、第3四半期には及ばなかったものの140億ドルもの利益を計上。
そして今回、この実績に対して2023年第1四半期に影響を与える要因を開示したわけですが、影響額の合計額はいわゆる下限値でマイナス53億ドル、そして上限値でマイナス21億ドルと大きくマイナスなっています。
その内訳ですがやはりアップストリーム事業においてマイナスが40億ドルから28億ドルとなっており、原油価格の下落、ガス価格の下落、さらには未決済デリバティブ(時価評価)の変動額が大きく影響しています。
通常我々投資家がこのような予想データを確認する際、頭に入れておくべきは下限値(悲観値)で見ておくこと。
となると下限値での影響額は2022年第4四半期実績の140億ドルに対してマイナス53億ドルとなり、87億ドルの利益が見込まれていることになるわけで、前年同期、つまり2022年第1四半期とほぼ変わらない数字ということになります。
もちろん今回のリリースについては、以下のコメントが記載されているわけで、実際の業績とは差異があることは百も承知。
2023年第1四半期におけるこれら特定の要因による実際の将来的な影響は、未確認の追加要因を含む多くの理由により、(今回の)当社の見積もりと異なる可能性があります。
エクソンの第1四半期決算の発表日は現地時間4月28日の予定。
”あわよくば100億ドル以上”の期待を持って臨みたいと思います。
(決算発表時のサプライズ増配発表を期待しての購入にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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