エネルギー大手のエクソン・モービル(XOM)が現地時間の7月5日にForm 8-Kを提出し、2023年第2四半期の利益見通しを開示しました。
Form 8-Kとは
Form 8-Kは、アメリカ合衆国において、株式公開企業(SEC登録企業)に提出が義務付けられている、SEC向け報告資料の開示様式(フォーム)のことをいいます。
現在、SEC登録企業では、会社支配権の変更、企業買収、行政処分、破産、取締役の退任、監査人の変更などの財政状態に影響を与えるイベント(特別な事象)が起こった場合に、このフォームを用いてSEC(米国証券取引委員会)に報告すると共に、迅速な対外発表が求められています。
(iFinanceより)
その内容は以下のとおり。
この表は上からセグメント別の2023年第1四半期の当期利益(NON-GAAPベース)、そして2023年第2四半期決算に影響を与える主な要因を市場要因と計画された要因や季節的要因等に分けて開示したものです。(単位は億ドル)
市場要因の内容としては、アップストリーム事業では原油価格、ガス価格、未決済デリバティブ(時価評価)の変動額、そしてエネルギー製品事業、化学製品事業、特殊製品事業ではマージン及び未決済デリバティブ(時価評価)の変動額となります。
また、計画された要因や季節的要因等に関する内容としては、修繕費の計画に対する変更、ガス需要の季節的変化となります。
御覧のとおりエクソン・モービルの2023年第1四半期決算の調整後の当期利益は116億ドル。
そして今回、この実績に対して2023年第2四半期に影響を与える要因を開示したわけですが、影響額の合計額はいわゆる下限値でマイナス53億ドル、そして上限値でマイナス21億ドルと大きくマイナスなっています。
その内訳ですが、まずアップストリーム(石油・ガス生産)事業において影響額の合計額はマイナス27億ドルからマイナス11億ドルとなっており、特に天然ガス価格の下落(マイナスが22億ドルからマイナス18億ドル)が大きく影響しています。
そしてエネルギー製品(ガソリン・ディーゼル燃料)事業においてはマイナス24億ドルからマイナス16億ドルとこちらも第1四半期に対して大きくマイナス。
こちらは石油精製マージンの悪化(マイナスが22億ドルからマイナス20億ドル)が大きく利益を下押ししています。
通常我々投資家がこのような予想データを確認する際、頭に入れておくべきは下限値(悲観値)で見ておくこと。
となると下限値での影響額は2023年第1四半期実績の116億ドルに対してマイナス53億ドルとなり、63億ドルと非常に厳しい数字となります。
もちろん今回のリリースについては、実際の業績とは差異があることは百も承知。
エクソンの第2四半期決算の発表日は現地時間7月27日の予定。
せめて中央値の79億ドル程度の利益を確保してもらえれば、と願っているところです。
(業績が原油、天然ガス価格に大きく依存する銘柄の購入にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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