エネルギー大手のエクソン・モービル(XOM)が現地時間の10月4日にForm 8-Kを提出し、2023年第3四半期の利益見通しを開示しました。
Form 8-Kとは
Form 8-Kは、アメリカ合衆国において、株式公開企業(SEC登録企業)に提出が義務付けられている、SEC向け報告資料の開示様式(フォーム)のことをいいます。
現在、SEC登録企業では、会社支配権の変更、企業買収、行政処分、破産、取締役の退任、監査人の変更などの財政状態に影響を与えるイベント(特別な事象)が起こった場合に、このフォームを用いてSEC(米国証券取引委員会)に報告すると共に、迅速な対外発表が求められています。
(iFinanceより)
その内容は以下のとおり。
この表は上からセグメント別の2023年第2四半期の当期利益(NON-GAAPベース)、そして2023年第3四半期決算に影響を与える主な要因を市場要因と計画された要因や季節的要因等に分けて開示したものです。(単位は億ドル)
市場要因の内容としては、アップストリーム事業では原油価格、ガス価格、未決済デリバティブ(時価評価)の変動額、エネルギー製品事業ではマージン及び未決済デリバティブ(時価評価)の変動額、そして化学製品事業と特殊製品事業ではマージンの変動額となります。
また、計画された要因や季節的要因等に関する内容としては、計画されていた修繕費の変動額となります。
まずすでに開示されたとおりエクソン・モービルの2023年第2四半期決算の調整後の当期利益は79億ドル。
そして今回、この実績に対して2023年第3四半期に影響を与える要因を開示したわけですが、影響額の合計額はいわゆる下限値で0つまり第2四半期と同額、そして上限値でプラス30億ドルとなっています。
その内訳ですが、まずアップストリーム(石油・ガス生産)事業において影響額の合計額はプラス7億ドルからプラス21億ドルとなっており、特に原油価格の上昇(プラス9億ドルからプラス13億ドル)が大きく影響しています。
そしてエネルギー製品(ガソリン・ディーゼル燃料)事業においてはプラス3億ドルからプラス11億ドルとこちらも第2四半期に対してプラス。
こちらは石油精製マージンの改善(プラス9億ドルからプラス11億ドル)が大きく利益を上押ししています。
通常我々投資家がこのような予想データを確認する際、頭に入れておくべきは下限値(悲観値)で見ておくこと。
となると下限値での影響額はゼロ、つまり2023年第2四半期実績の79億ドルに対して同額。
もちろん今回のリリースについては、実際の業績とは差異があることは百も承知。
エクソンの第3四半期決算の発表日は現時点では現地時間10月26日の予定。
ということで今回はそれほど心配することなく決算を迎えられそうです。
(業績が原油、天然ガス価格に大きく依存する銘柄の購入にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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