現地時間の10月15日、「世界保健機関(WHO)が実施した臨床試験(治験)で、バイオ医薬品メーカー、ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」が、新型コロナウイルス感染症の治療で入院期間や死亡率にほとんど影響を与えなかったことが分かった。」とフィナンシャル・タイムズが報じました。
レムデシビルと言えば、トランプ大統領が新型コロナに感染した際にも投与され、回復(?)したことで話題になった治療薬。
その薬に効果がない、となれば、将来の業績への影響から投資家の失望は非常に大きい。
当然株価にも影響がある。
それは確か。
しかしこの銘柄の場合それ以上に気にすべきことがあります。
それが9月13日に発表した同業のイミュノメディクス(IMMU)の210億ドルの巨額買収。
買収の目的はがん領域の強化。
ギリアド・サイエンシズと言えば、何と言ってもHIV治療薬。
今年第2四半期でこの製品の売上に占める割合はなんと全体の約8割にも上っています。
しかしその売上は伸び悩み、以前は主力であったC型肝炎治療薬の減少にも見舞われている。
自社株買いを続けているにもかかわらず株価は低迷。(青がギリアド、赤はダウ平均)
そこで今回の買収となったわけです。
但し、イミュノメディクスの業績は以下のとおり直近2019年では売上はほぼゼロ。(※単位は千ドルです。)
赤字垂れ流しの状況となっています。
これだけを見れば海のものとも山のものともわからない会社。
但し、希望の光はある。
その一つが革新的な乳がん治療薬と言われているトロデルヴィ(Trodelvy)。
すでに今年の4月には上市(市場に投入)されています。
この新薬に限らず、今回の買収によって今後どんな製品が市場に投入されるのか?
そしてどの程度会社の利益に貢献するのか?
今後ともモニターを続けて行きたいと考えています。
(巨額買収を実施したばかりの銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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