通信大手のAT&T(T)が投資家向け説明会(Morgan Stanley Technology, Media and Telecom Conference)でホルダーにとって心強い発言をしてくれました。
具体的にはCOOのジョン・スタンキー氏による以下の発言。
・今後3年間コスト削減を実施する。
・第1四半期に続き、第2四半期においてさらに40億ドルの自己株買いを4月から実施する。
・ストリーミングサービスのHBO MAXは予定どおり今年5月から開始予定。
・携帯サービス売上は今年2%を超える成長を予定。
この中で何と言ってもうれしいのが自己株買い。
ホルダーの方ならご存じのとおり、AT&Tの増配はほふく前進増配。
どういう意味かと言うと長きに渡って毎年0.04ドルずつの増配をひたすら続けているのです。
この機械的増配はある意味安心、ではあるのですが、以下のとおり増配率はじわりじわりと毎年確実に低下している状況。
(このまま続けて行くと遠い将来には四捨五入でゼロ%増配になることでしょう。)
もちろん増配率上昇のカギを握るのは利益。
のわけですが、なにせこの業界は寡占化が進んでいるとは言え、競争が激しい。
さらにTモバイルとスプリントの合併も認められた。
となればさらなる競争激化は必然。
そこで増配率増加のカギを握るのが発行済株式数。
AT&Tの期末時点の発行済株式数の推移は以下のとおりの状況。
御覧のとおり2017年から2018年にかけて大幅に増加しているのが見て取れます。
もちろんその理由はタイムワーナーの買収。
850億ドル(日本円で9兆円超!)と言う巨額の買収費用の一部を捻出するために大量の株式を発行したわけです。
株数が増加すれば増配はより難しくなる。
これ当たり前。
そんなことは会社とて百も承知。
だからこそ昨年2019年は非中核資産の売却等によってせっせとキャッシュを捻出した。
そしてその一部を自己株買いへと振り向け始めたわけです。
最終的にはタイムワーナー買収のために発行した株式の70%を消却予定。
利益が一定なら株数が減れば1株当たりの配当額は増える。
これ当たり前。
AT&Tの増配発表は通常12月。
ということで、
「次回の増配発表でついにほふく前進増配から卒業してくれるのでは?」
そんな期待に大きく胸を膨らませている中年投資家なのでした。
(投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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