現地時間の8月29日に家電等の量販店のベスト バイ(BBY)が2025年第2四半期決算を発表しました。(尚ベスト バイの決算期は1月ですので今回は5月から7月までの期間となります。)
ベスト バイと言えばアメリカではお馴染みの企業であり、国内は全州に店舗がある一方、海外は中国は2011年にすべての店舗を閉鎖、またメキシコは2022年第1四半期にすべて閉鎖し現在はカナダのみとなっています。
その概要は以下のとおり。
まず売上ですが、前年同期比で3.1%の減収となりました。
既存店売上ベースでは2.3%の減収ですが、2022年第4四半期以来最も少ない減少幅となったことは注目する必要があります。
このうち売上全体の93%を占めるメインの国内売上は3.0%の減収。
商品売上では、コンピューターとタブレットは伸びたものの、家電製品、ゲーム、ホームシアターの売上低迷により、既存店売上は2.3%の減少となりました。
そして国内オンライン売上も、既存店ベースで1.6%減となっています。
一方利益は、主に技術サポートや設置、修理などを提供する会員制サービスを含むサービス部門の業績改善により、国内売上総利益率が前年同期の23.1%から23.5%へと増加したこと、コスト管理強化が奏功し、人件費、車両レンタル料やクレジットカード決済手数料等の経費の減少により販売管理費が減少したこと等により、1株利益は会計基準ベースで前年同期の1.25ドルに対し1.34ドル、そして調整後1株利益(NON-GAAPベース)は前年同期の1.22ドルに対し1.34ドルとそれぞれ増加しています。
尚アナリスト予想との比較では以下のとおり売上、調整後1株利益ともに予想を上回る結果となっています。
最後に注目の今期通期予想ですが、以下のとおり売上は前期予想の413億ドル~426億ドルに対し413億ドル~419億ドル、既存店売上は前期比3.0%減~0.0%に対し3.0%減~1.5%減と上限値を引き下げたものの、調整後1株利益は前回予想の5.75ドル~6.20ドルに対し6.10ドル~6.35ドルと上限値、下限値ともに引き上げています。
尚、2024年1月期が53週の決算だったのに対し、2025年は52週の決算となり決算期間が1週間少ない影響(売上高は約7億3,500万ドル、調整後1株利益は約0.30ドル)があることはおさえておく必要があります。
以上、厳しい販売環境が続く中売上減少となったこの銘柄ですが、国内タブレット部門とコンピューター部門が好調で、この部門の既存店売上高は前年同期比6%増となった(コーリー・バリーCEO)こと、売上総利益率が高い会員制およびサービス事業が好調なことは朗報でしょう。
また「当業界は成長基調に戻りつつある。」(コーリー・バリーCEO)、「今年後半に目を向けると、当業界は引き続き安定化が進むと予想される。」(マット・ビルナス最高財務責任者(CFO))と述べています。
しかも厳しい環境下にあっても今期5億ドルの自社株買いを予定しており、第2四半期は9,800万ドルの自社株買いを実施、株主還元に対する強い意志が見て取れる。
ベスト・バイは7月、コンピューター、家電、ホームシアターの3つの主要部門にトレーニングを受けた販売チームを増員し、YouTubeビデオを含むマーケティング・キャンペーンを開始しており、その効果にも期待したいところです。
ということで、売上✕〇 利益〇 通期予想△でも保有継続です。
(インフレの影響をもろに受ける銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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