バイオ医薬品銘柄のアムジェン(AMGN)が現地時間の2月4日に2024年第4四半期決算を発表しました。
概要は以下のとおり。
売上は前年同期比で主に14%の数量増に牽引され11%の増収。
買収したホライゾン・セラピューティクス社を除いた売上でも10%増、また販売数量は15%増となっています。
尚、製品別では第3四半期同様高コレステロール血症治療薬レパーサをはじめ10製品の売上が少なくとも2桁以上の伸びを示しました。
また利益の方ですが、会計基準ベースの1株利益は前年同期の1.42ドルに対して1.16ドルと18%の減益となりましたが、これは主に保有株式の時価評価によるもの。
特殊要因を除いた調整後1株利益は営業費用の増加等はあったものの、増収により4.71ドルに対し5.31ドルと前年同期比13%増となっています。
ちなみに真の稼ぐ力を表す営業キャッシュフローマージン(累計値)は以下のとおり前期比4.3%増。
営業キャッシュフローマージンとは
企業がどれほど効率的にキャッシュを稼いだかを示す指標であり、営業活動の結果として売上がどのくらいの営業キャッシュフローを生み出したかを表している。
計算式は、営業キャッシュフロー÷売上高で表される。
PL(損益計算書)上の利益はお化粧が可能だが、営業キャッシュフローは資金の入出金であり、会計基準・会計方針等の影響を受けないいわばごまかしのきかない数字である。
従って同業他社を比較する際にも有用である。
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またアナリスト予想との比較では以下のとおり売上はほぼ予想と一致、調整後1株利益は予想を上回っています。
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最後に注目の今期2025年の通期予想ですが、以下のとおり売上は前期比3%~7%増収の343億ドル~357億ドル、調整後1株利益は1%~7%増益の20.00ドル~21.20ドルとしています。
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以上、好調のうちに終了した2024年決算ですが、今期通期予想値が控えめだった点は留意する必要があります。
この銘柄の現在の注目点と言えばやはり開発中の肥満治療薬。
その状況に関し、治療薬マリタイド(AMG 133)について
・2024年11月、2型糖尿病の有無を問わず、過体重または肥満の成人を対象とした体重管理に関するフェーズ2試験のパート1のデータが発表され、マリタイドは、フェーズ2試験において安全かつ効果的な体重減少を実証した初めての月1回またはそれ以下の頻度で投与する肥満症治療薬となった。
データ発表は2025年下半期を予定している。
・マリタイドを2型糖尿病治療薬として検討するフェーズ2試験のデータ発表は2025年下半期を予定。
・複数の適応症を対象とした広範なフェーズ3試験プログラムは順調に進んでおり、最初の試験は2025年上半期に開始される予定である。
と公表しており、開発は特に問題なく進行しているようです。
ということで売上〇△、利益〇、通期予想△ +新薬への期待 =ホールド
です。
(肥満治療薬に過度な期待が集まっている銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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