銘柄研究

ホンダ・日産経営統合報道で買い増し即ストップの理由

12月18日、「ホンダと日産自動車が経営統合に向けた協議入り。」との報道が飛び込んできました。

持ち株会社を設立し、傘下に両社がぶら下がる形で調整中であり、将来的に三菱自動車が合流することも視野に入れるとのこと。

現在ホンダの買い増しを続けている当方ですが、今回の報道で今後の買い増しを即中止することにしました。

正直ホンダホルダーからしてみれば、日産と経営統合することでのメリットがまるで見えない、いや現時点ではデメリットしか見えない。

それは業績面から見ても明らか。

ちなみに以下は今期2025年3月期の両社の業績予想ですが、日産は急速な業績の悪化から下方修正し営業利益率はわずか1.2%。

しかも当期利益は「合理的な算定が困難であるため、”未定”。」ということはおそらく赤字転落でしょう。

そんな企業と一緒になってなんのメリットがあるのか?

もちろん日産にホンダにはない技術があれば話は別ですが、ハイブリッドしかり電気自動車(EV)しかり、そんな技術は見当たらない。

台数だけを見れば800万台となり世界3位グループに躍り出るわけですが、規模が大きければよいというものではない。

それはフィアットやクライスラーなどを経営統合してきたステランティスが苦境に陥っている状況を見ても明らか。

巷で言われているとおり、今回の経営統合はホンダによる経営不振の日産の救済であり、ホンダにとってみれば”百害あって一利なし。”と言わざるを得ない。

もしこれが経営統合ではなく、日産の法人格が消滅するホンダによる日産の買収または吸収合併であれば話は違っていたのですが、、、

ここからは教科書的な話になりますが、経営統合とは新たに持株会社を設立し、既存の会社が新会社の子会社になることであり、一般的なメリットは独立性・自主性の維持。

すなわち各会社が元々持っていたブランドや企業文化を維持できることであり、従来の会社から大きな変化をさせたくない場合に使用される手法。

それが故にデメリットとして、例えば金融部門等同じ部門が重複しがちになり組織が複雑化する可能性がある

つまり大きな変化には期待できないということであり、今の日産が今の、つまりゾンビ日産のまま、ホンダの資産を食いつぶしながら生き延びる可能性が高い。

ただ当方一縷の望みをかけて即売却はしません。

その望みとは、

・交渉の末今回の経営統合が破談となること。

・(可能性は限りなく低いが)金融部門の統合を含む重複部門の統合、大規模リストラ等を実施すること。そしてそのために持株会社の経営権を実質的にホンダメンバーが握ること。

ということで、日々膨らみ続ける含み損を抱えながら(汗)、交渉の行方を注視したいと思います。

(いわゆるババ(日産)を掴んでしまった銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

よろしければ応援クリックお願いします。
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

POSTED COMMENT

  1. そだお より:

    正直者さん、こんばんは

    ホンダと日産自動車の経営統合に向けた協議。
    びっくりしました。
    真っ先に思い浮かんだのが正直者さんでした。

    今日は、ソニーがKADOKAWAの筆頭株主に、といった報道もありました。
    最近、TOBとかMBOとか統合とか子会社化とか企業の動きが激しいですよね。
    資本主義っぽいですけど、東証や金融庁の方針も大きいのでしょうね。

    • naobito より:

      そだおさん
      そだおさん

      おはようございます。
      ほんとビックリです。ただ8月に協業を発表した時から嫌~な予感はしていました。
      買収等企業の動きが激しくなるのはウエルカムですが、問題はシナジー効果。
      特に今回の場合ホンダサイドのメリットが全く見えない。
      良い意味での大どんでん返しに期待してます。

  2. メロリン より:

    損切りの英断するかどうか見守ります

    • naobito より:

      メロリンさん

      こんにちは。
      統合にあたりホンダが主導権を握れないようであれば躊躇なく売却予定です。

  3. ヒック より:

    なおびとさん

    日産は1単元だけ昔から持ち続けているので、急騰(と言ってもここ最近大きく下げてたのを戻しただけですが)して驚きました。
    近年は本当に全くいいところなくゴーンのままの方がよかったとさえ思う株主も多いのではないでしょうか。ホンダ株主の方々のご懸念お察しします…。うまい形で決着するとよいですね。
    ステランティスは昨年18ドルくらいの時に買って、3月の史上最高値の時に一部利確しようか迷ったのですが逃してしまいました。その後の下落によって元々凄まじかった配当利回りがさらにすごいことになっています。なんとか反発または配当継続を期待したいところです。

    • naobito より:

      ヒックさん
      おはようございます。
      日産は1単元お持ちでしたか。であればこの局面を冷静に見ていられますね。
      ステランティスの配当利回りは13%もあるのですね。
      ただ業績は悪化していますので、減配の可能性は考えられます。
      この銘柄の場合配当は年1回。
      2月発表の配当のお知らせでなんとか配当維持してくれると良いですね。

  4. ウィニングチケット より:

    こんばんわ。

    日産の関係者の方々はホッと一安心。
    ホンダの関係者の方々は火中の栗を拾う思いではないでしょうか。

    株価はわかりやすいですね。
    日産はストップ高ですが、ホンダは。。
    本来は政府が日産を支援するのが筋ですが
    ホンダに押し付けた形地ですね。
    正直者さんのホンダとの物語楽しみにしていたのですが、雲行きが怪しくなって決まったね。

    • naobito より:

      ウィニングチケットさん
      おはようございます。
      ハイ、まさにホンダは火中の栗を拾ってしまいました。
      同じく当方も、、、(汗)
      物語は続きますのでお楽しみに!(苦笑)

  5. ウィニングチケット より:

    おはようございます。
    早起きしすぎて日中眠くなりそうな私ですが
    ホンダのあの兆円単位、桁違いの自社株買いの発表は、日産との統合で統合比率を優位にするための大きな大きな一手だったようですね。
    せめての既存株主の皆さんへのフォローになれば。
    ただあまりに日産自動車の負の遺産が大きくホンダの株価はかなり下がってしまっているのでなんとも。。

    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOTG19C0T0Z11C24A2000000/

    • naobito より:

      ウィニングチケットさん
      おはようございます。
      今日はお早かったですね。
      今回の巨額の自己株買いは自らの身を守るためでもあったと思います。
      やはりこの先統合を止めるか、統合するにしてもホンダ主導でドラスティックな改革を行わない限りは売りなんでしょうねぇ。
      当方の場合少額投資+原資はただ(配当)ですので、今後の方針が明らかになるまでもう少しお付き合いしたいとは考えています。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です