決算発表

アッヴィの2023年第1四半期決算 売上×〇 利益× 通期予想〇 で様子見継続

研究開発型バイオ医薬品企業のアッヴィ(ABBV)が現地時間の4月27日に第1四半期決算を発表しました。

すでにこの銘柄は4月5日リリースのForm8Kにおいて調整後1株利益を10.62ドル11.02ドルとする下方修正の発表があったわけで、ある程度の安心感というか覚悟を持って早速内容を確認。

概要は以下のとおり。

まず売上ですが、全体では前年同期比で9.7%の減収。

続いて主力製品であるヒュミラの売上を確認。

御覧のとおりこれまでは「海外では特許切れによる大幅な減収、一方メインの米国国内では増収を確保」、というパターンでしたが今回米国(国内)における特許切れによる後発薬の販売開始により大幅な減収(-26.1%)となっている状況が見て取れます。

続いてヒュミラの売上減少を補う製品として会社が期待を寄せているスキリージとリンヴォックの状況は以下のとおり。

スキリージとは

乾癬(かんせん-免疫の異常によって皮膚や関節に特徴的な発疹などが起こる病気)の症状を改善する薬

リンヴォックとは

中等度から重度の関節リウマチ患者へのリウマチ薬

こちらはこれまで同様スキリージが前年同期比で44.7%増、またリンヴォックが47.5%増と好調を維持。

次に利益の方ですが、会計基準ベースの1株利益は特殊要因により大幅な減益(-94.8%)、そして無形固定資産償却費等の特殊要因を除いた調整後1株利益(NON-GAAPベース)は前年同期の3.16ドルに対して2.46ドルと22.2%の減益となっています。

またアナリスト予想との比較では、以下のとおり売上は予想を若干上回ったものの、利益の方は予想を下回る結果となっています。

最後に注目の2023年通期予想(調整後1株利益)ですが、以下のとおり4月5日公表の調整後1株利益を10.62ドル~11.02ドルから若干上方修正し、10.72ドル~11.12ドルとしています。

もちろん今回の減収・減益は主力製品ヒュミラの米国での特許切れによる売上減が影響したことは間違いない。

ライバルアムジェン(AMGN)が初のバイオシミラー競合品、アムジェビータを発売したわけですが、今年中にさらに7つの製品が米国で発売される予定となっており今後も売上の減少は避けられない状況。

そしてスキリージとリンヴォックは前年同期比では大幅な売上増となったもののアナリスト予想を下回る結果となった。

このあたりが発表当日の株価暴落(-8%)の要因かもしれません。

ただヒュミラの売上減は事前に予想されていたこと。

ちなみにアナリスト予想(全体で-30%)は上回っている。

そして今回4月5日に公表した数値に対して上昇修正した通期予想は、第4四半期決算発表時に公表した10.70ドル~11.10ドルをも上回っている。

さらになりよりそもそもこの銘柄の場合、”2023年と2024年は我慢の年、耐える年”と位置付けている。

ということで、売上×〇 利益× 通期予想〇 で様子見継続

とします。

(「2023年の壁」問題に突入した銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)

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