エネルギー大手のシェブロンが現地時間の10月5日、シェールガス大手のノーブル・エナジーの買収が完了したことを発表しました。
この買収に関してはすでに今年の7月20日に買収合意の報道がなされていたわけですが、今回ノーブル株主の承認により無事買収が完了したというわけです。
今回の報道を受けて当方一ほっと安心。
「えっ、一安心ってそもそも買収の完了はいわば既定路線だったんじゃないの?っていうか、確かこの買収には否定的じゃなかったっけ?」
ってそのとおり。
確かに現在の原油価格の暴落下でシェール企業が相次ぎ破綻を余儀なくされる中、買収する立場から見れば書い叩ける、というのわかりますが、いまだコロナ終息が全く見えない状況ではあまりにリスキー。
そしてそれ以上に今回の買収が株式交換で実施され、ノーブル株1株に対してシェブロン株約0.12株が割り当てられる。
つまり希薄化が進む。
あくまで単純計算ですが、2020年6月末のノーブルの株式数が4.8億株ですから、株式交換によりシェブロンの発行済株式数は約5800万株増加することになる。
つまり買収前に比べ株数が約3%増加することになるわけです。
さらに買収によってノーブルが抱える債務(6月末時点で有利子負債は79.7億ドル)も引き受けることになる。
そんな状況にもかかわらずなぜ一安心したのか?
その理由は今回のリリース文章の中にある。
「ノーブルエナジーの従業員と株主をシェブロンに迎えることを嬉しく思います。ノーブルの高品質の資産はシェブロンの競争力のある上流ポートフォリオを補完し、この組み合わせは強力な経済的利益をもたらすことが期待されています」とシェブロンの会長兼最高経営責任者であるマイケル・ワースは述べています。
「業界をリードするバランスシートと資本規律の実績により、私たちは他とは異なる場所にいて、長期的な価値を推進しながら配当を守ることができると信じています。」
そう、配当を守ることができる。
とCEOが公言した。
かねてからマイケル・ワース氏は配当を優先することを公言していたわけですが、買収完了時点で、それも原油価格の低迷が続いている中であらためてこの発言を繰り返した。
この意味は非常に大きい、と感じているところです。
(買収により発行済株式数が増加する銘柄への投資にあたってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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