現地時間の2月7日、化学・電気素材大手のスリーエム(MMM)が配当のお知らせをリリースしました。
スリーエムと言えばすでに別記事でお知らせしたとおり、現地時間の1月24日に発表した第4四半期決算は売上高は前年同期比で6.2%の減収、そして特殊要因の除いた調整後1株利益は以下のとおりとなっており、売上とほぼ同率の6.9%の減益となっています。
またアナリスト予想(FactSet consensus)との比較ですが、以下のとおり売上は若干予想を上回ったものの、利益の方は約3%ほどアナリスト予想 を下回る結果に終わっています。
さらに注目の今期2023年通期予想(NONーGAAPベース)ですが、調整後1株利益が8.50ドル~9.00ドルと残念ながら前期の9.88ドルに対して大幅な減益予想。
と非常に厳しい状況。
そして何よりの心配事項が本来の稼ぐ力を表す営業キャッシュフローマージン。
御覧のとおり16.3%と前期の21.1%に対し4.7%減と大きくその数字を落としています。
と、前置きが長くなりましたがリリース内容は以下のとおり。
スリーエムの取締役会は本日、2023年第1四半期の普通株式について、1株当たり1.50ドルの配当を行うことを宣言しました。
この配当金は、2023年2月17日の営業終了時の株主名簿に記載された株主に対して、2023年3月12日に支払われます。
スリーエムは、100年以上にわたり、株主への配当を途切れることなく行っています。
これまでの1株配当が1.49ドルでしたから、0.7%の増配ということになります。
過去64年連続増配を続けて来たこの銘柄ですがこれで65年連続増配となりました。
正直当方、上記決算数値から今回増配はしないと考えていた。
減配さえしなければ御の字と考えていた。
それが3年連続でわずか1セントとは言え増配を継続した。
もちろん正直今回の増配には無理があることは百も承知。
ただある意味意地とも言える今回の増配にこの銘柄の株主還元に対する強い意志を見た。
スリーエムと言えば昨年食品安全用品事業のスピンオフを実施。
そして売上の4分の1近くを占めるマスクなどフィルター製品のほか、救急ばんそうこうや手術用品などの創傷ケア、歯科・口腔(こうこう)用品を扱うヘルスケア事業のスピンオフを発表した。
それもこれも企業価値を高めるため収益力の高い分野に経営資源を集中するためであり、その方向性は間違っていない。
さらにコスト削減に向けた取り組みを進めるとともに、特に消費者市場の需要減等による生産量の減少に対応するためにグローバルで約2,500人の製造職の削減を予定している。
ということで、もう少しこの銘柄と歩みを共にしたいと考えているところです。
(今後景気後退の影響をもろに受ける銘柄への投資に当たってはくれぐれも自己責任でお願いいたします。)
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